■彼女が感じた『YU-NO』の世界観を、強く反映したMV
――だからこそデビューの頃からの成長もより感じられる1枚になっていると思うのですが、成長という意味だと今回「Open your eyes」のライブ音源も収録されていて。
そうなんですよ。今回は“成長”とか原点回帰の意味を込めて、志倉さんつながりで自分のデビュー曲の、去年秋のバースデーライブの音源を。「リリースから約2年を経て成長した、今の亜咲花の『Open your eyes』はこれだ!」っていうのを皆さんにも知ってほしくて入れました。あと、亜咲花のライブに来たことがない方にこのライブ音源を聴いていただいて、「亜咲花のライブ、行きたい!」って思ってもらえたらいいなという想いもあって。ライブ音源ならではの皆さんの熱い声とかコールも入っているので、よりライブ感が出ている仕上がりになっています。
――そして、先ほど少しお話にも出たMVは、おっしゃるように女神感のある作品になりました。
今回は『YU-NO』の世界観に合ったMVにしたいなと思って、映像に気を取られすぎないシンプルなものになっているんです。水の上に流木があるなかで立つ、というイメージを監督が提案してくれたんですけど、それは“この世の果て感”を出したかったから、とおっしゃっていました。
――ジャケットでもこの世の果て感・女神感ともにあるように思いましたが、衣装にもこだわられて?
そうですね。MVと同様に衣装もすごくシンプルにしまして。人間味が出ないようにアクセサリーはつけてないんですけど、そのかわりに手とか肩にラインストーンをつけることで、キラキラ感を出しているんです。あとは、曲の出だしが民族風というところも生かしたくて、衣装に民族衣装っぽい柄とか模様をつけていただいたり、脚を隠すことで神秘的な感じも演出したり……自分の最初のインスピレーションを、衣装さんにすごくこだわって反映していただきました。
■スタイリッシュな自作詞曲の、誕生の裏側にも迫る
――そしてカップリング曲「My Love」は、アコギから始まるヒップホップ調の楽曲になっています。
この曲は、最初は音源の方向性が全然違ったんです。最初はライブ定番曲をもっと増やしたくて、みんなが聴いたら踊りたくなるようなアップテンポな曲をお願いしていたんです。そうしたら「今回のテーマとは違うんだけど、めちゃくちゃいい曲があるから聴いてみてくれる?」ってディレクターの方から送られてきた音源があって。それはアコースティック一本でしっとりな感じの曲だったんですけど、メロディがすごくよくて頭から離れなかったんです。それで「これ、パーティー風にアレンジしてもらっていいですか?」ってお願いしたものが、今の「My Love」につながっているんですよ。
――なるほど。
ただ、最初いただいた音源はイメージとちょっと違ったので、ブルーノ・マーズとか横ノリ系の洋楽風な楽曲に寄せるアレンジにしてもらったんです。そうしたらすごくいい感じの、2000年代から出てきた洋楽調になってて。そこに今の自分の恋愛観とか恋愛像を入れてみたらすごくピッタリなんじゃないかなと思ったんです。でも、ただラブソングを書くだけだとつまらないから、いろいろとアクセントをつけていこうと思って。
――それは、どういった部分につけたんですか?
まず、表題曲には実は英語がひとつも入っていないので、シングルの中での対比としてこっちでは9.5割英語にしました。あと、前回私が作詞をしたアルバム『19BOX』のリード曲「KILL ME One More Time?」が自分とはまったく違った女性像のセクシーでオトナな恋愛を描いていたので、そことの対比にもなるように10代に合った純粋な愛をテーマにして、等身大な歌詞にしたんです。それに、私の友達もなんですけど、今の10代の子はLINEでの告白が多いって聞いたので、ずっと恋を伝えられない女の子が英語で「お久しぶりです、最近元気にしてますか?」ってLINEで切り出す……っていうふうに、今の子の時代背景とかも取り入れて。より共感性を持ってもらえるようにもしています。
――そのなかで、今回特にこだわられたのはどんなところでしょう?
回は、みんなが恥ずかしくて言えないような言葉を、私がかわりに言いたいなと思ったんです。たとえば「愛してる」とか「好きだよ」って、たぶん面と向かっては好きな人に実際言えない方のほうが多いと思うんですよ。だから、そんな子への「かわりに歌ってあげるよ」っていう気持ちも込めて、それを日本語じゃなくて「I love you」って英語にしてちょっと丸くさせれば、聴いてる人も恥ずかしくないし、歌う人も恥ずかしくないように……っていうのを意識しました。それなのに自分が恥ずかしがっちゃダメだと思ったので、堂々と歌うっていうのがレコーディングですごく意識したところでもありました。
――歌声と、音の感じも含めてすごくスタイリッシュに聴こえるんですよね。
亜咲花 うれしい! 今回、そのスタイリッシュっていうのが大変だったんですけど、英語を使うことによってキリッとパキッとちゃんと締められるように、っていうのは意識しました。
■ツアー・リリースを経て、今の亜咲花が目指すもの
――最後に、シングルリリース後に亜咲花さんが目指していきたいものをお伺いしたいのですが。
この秋二十歳になるんですけど、やっぱり二十歳になるって自分にとってはすごく大きな階段なんですよ。この19年間、責任というものはそんなにまだ意識しなくてもいい年齢ではありましたけど、これからは自分が全部の責任を背負わなきゃいけなくなるんですよね。そういうことも意識しつつ、プライベートでは大人になるための準備もできたらと思っています。あと、高校時代の友達とそんなに会えていないので、そういうお友達とかとも情報交換して。アニソンだけじゃなくて世の中の流行りとかを知ったり、もっともっといろんなところに視野を広げていきたいです。
――一方、シンガーとしては?
とにかく「ずっとアニソンを歌い続けたい」と思っているので、アニソンを“歌ってる”じゃなくて“歌わせてもらってる”という気持ちを忘れずにいたいです。そのうえで挑戦してみたいのが、アニメ主題歌の作詞。自分が触れた作品について歌うだけではなくて歌詞まで、世界観を全部自分で伝えたいと強く思うことが、最近すごく多くなったんですよ。もちろん作っていただいた曲を歌うことや、その中の感情を汲み取るということもとても大事なことだとは思いますし、元々の親となる作品があって、その子供を作るというのもすごく大変な作業だとも思うんです。でも、そういう経験を通じてアニソンに対する愛もより深まるんじゃないかなと思っているので、ぜひ挑戦してみたいですね。
●亜咲花6thシングル「この世の果てで恋を唄う少女」
発売日:4月24日
・DVD付盤
価格:1,900円(税抜)
CD
1.この世の果てで恋を唄う少女
2.My Love
3.この世の果てで恋を唄う少女 -off vocal-
4.My Love -off vocal-
5.Open your eyes ライブ音源
DVD
1.Music Video
2.メイキング映像
・YU-NO盤
価格:1,500円(税抜)
CD
1.この世の果てで恋を唄う少女
2.My Love
3.この世の果てで恋を唄う少女 -off vocal-
4.My Love -off vocal-
5.ミニドラマ「境町学園の昼休み」