■「崖っぷち」の状態から、いい意味で肩の力が抜けた

――今、改めて1作目劇場版『KING OF PRISM by PrettyRhythm』当時の自分を振り返ると、どんな変化がありましたか?

やっぱりあの頃は緊張していたんだなって、今になって思いますね。当時、デビューして6年くらいは経っていたので、自分では「緊張してない」って思っていたけど。

――今の自分は変わった。

今はもっと遊べるように、その場で臨機応変に対応できるようになったと思います。当時は、結構「崖っぷち精神」が強かったんです。「ここでちゃんとしなきゃ、俺は終わるな」って思いがあって。だから肩にガチガチに力が入っていました。当時は、長崎さんにも「練習しすぎ」って言われましたから。

――そう言われると、どうしたらいいのか……という気持ちになりますよね。

でもおっしゃっていることは自分でもよくわかっていて。繰り返し100回くらい練習したんだなって、聞いている側に伝わるお芝居をしていたと思います。現場で言われたことに柔軟に対応できていませんでしたから。

今は、家で「ここはこうやって演技しよう」と固めることは一切しなくなりました。相手のセリフの出し方で変わっちゃうので。現場で感じたままにお芝居ができるようになったのが、一番の変化ですね。

――そうした変化が、収録ですんなりOKが出ることにつながっているのかもしれませんね。

最近、シンくんをやっていて一番心配なのは、高音が出るかどうかなんですよ(笑)。だから、シンくんを演じる時期はめちゃめちゃ入念にのどのケアをしますね。

お芝居で「もっとこうしたい」と思った時に、それができる声が出なければお芝居を変えざるをえない。用意してきた第二候補の芝居でOKが出ることはあっても、やっぱり万全なコンディションで、常に第一候補のプランができるようにいたいと思います。

■キャストの中で団結が生まれた理由

――舞台あいさつなどを拝見していると、この3年で、エーデルローズ新入生キャストの距離感も縮まってきているように感じます。

それはライブやイベントを何度かやらせていただいているのが大きいですね。イベントで、青葉(譲)さんの脚本の朗読劇をやらせていただくんですけど、青葉さんはキャストの力を試す脚本を書くんですよ。「これがすべったらお前たちのせいだ」ってプレッシャーをかけてきます(笑)。

だからキャストが団結して、朗読劇の見せ方やアドリブを考えるんです。それでチームとして結束が強まっているんじゃないかなと思います。

――キャストのなかで第一印象から一番変化した方はどなたですか?

やっぱり五十嵐さんですね。年上だし、イケメンだからちゃんとした大人の方だと思っていたんですけど……全然違う、おかしな人でした(笑)。

――イベントなどで、五十嵐さんが暴走した際に寺島さんがツッコミを入れて制するという、おふたりの役回りができていますよね。

僕以外のみんなも五十嵐さんに対してツッコめると思うんですけど、立場的に僕が五十嵐さんの次に先輩なので、「どうにかしないと!」 って思うんです。

――では最後に、新シリーズを楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

みなさんの応援のおかげで、念願のテレビシリーズができました。僕たちも気合いを入れて収録に臨んだので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

今まではお友だちを劇場に誘っていただいていたと思いますが、今回は SNSやメールで一言「今日、何時から『キンプリ』あるから見てね」と言っていただくだけでも大丈夫ですので(笑)。ぜひ、『キンプリ』の輪を広めていただけると嬉しいですね。それが、今後の作品やイベントなど、大きなものにつながりそうな気がするので、引き続き応援していただけたら嬉しいです。