掃除のパワーは「メインとして十分」
F9をメインの掃除機として使用する場合、掃除性能も気になると思います。F9のWebサイトでは、「クラス最高レベルのゴミ除去率99%」とうたっており、フローリング掃除では取り残しもなく満足のいく結果でした。気になるカーペットの汚れは、長い髪の毛だと一部取り切れないこともありましたが、細かな粉汚れやほこり汚れはきちんと除去できています。メインの掃除機として、十分なパワーだと感じました。
バッテリーには36Vのターボパワー・リチウムイオン電池を採用しており、最長60分、最大モードで使っても17分というバッテリー持続時間の長さも魅力。このほか、実際に掃除をしていて嬉しかったのがダストカップが大きいところです。最近のコードレススティック掃除機は軽量・コンパクトを追求するためか、ダストカップ容量が500ml以下の小さいものが多いのですが、F9は700mlとかなり大容量。このため、掃除中にゴミを捨てる回数が少なくすみました。
見た目と違い「質実剛健」だ
エレクトロラックスはスウェーデンのブランドだけあり、F9を最初に見たときの感想は「北欧らしいスタイリッシュなデザインだな」でした。しかし、実際に使ってみると、使いやさを追求した実用重視の製品だとわかります。
ユニットやハンドルの変形機構、フレキシブルホースや大容量バッテリーの内蔵、大容量ダストカップ搭載などの「使いやすさ」を追求したかわりに、犠牲になっているのが重さ。本体重量が3.2kgというのは最近のコードレススティック掃除機としては結構な重量感。わかりやすいよう比較すると、ダイソンのコードレススティック掃除機の最新モデル「V11」で本体重量が2.72kgです。
このほか使っていて感じたのは、各パーツがしっかりと作られていること。最近のコードレススティック掃除機は「軽量化」を進めるため、華奢なパーツを使っている製品も多いのです。製品によってはぶつけたり、落としたりするとダストカップのロック部分などのパーツが破損するといったケースもよく聞きます。F9は全体的にガッチリ作られており、少し手荒に扱っても平気でした(手荒に扱うことを推奨するものではありません)。子供がいる家庭などでも安心して使えそうです。
本体重量があるため、「ハンディクリーナーとしても頻繁に使いたい」という人にはあまり向いていないと感じましたが、下重心にすれば重さのほとんどはヘッドが吸収するため、床掃除時は重いと感じません。床掃除をメインに考えているユーザー向きの掃除機だと思います。また、「ユニットを移動できる」「内蔵ホースがある」といった特徴的なギミックも使ってみるとかなり便利。ギミック好きのこだわり派にもオススメできる製品です。