コードレススティック掃除機が掃除の中核を担うようになり、最近は各メーカーが特徴のある製品を発売しています。昨年(2018年)に発売されたエレクトロラックスのコードレススティック掃除機「Pure F9(ピュアエフナイン)」(以下F9)も、特徴的な機能を備えています。なんとF9は、スティック掃除機で悩みどころのひとつである「重心」位置を自在に変更できるのです。
今回レビューで使用したF9は、上位モデル「Pure F9 Plus PF91-6BWF」。F9シリーズのなかで最も大容量なバッテリーを搭載するほか、UVライトを備える本格ベッドノズルなど、アクセサリーが豊富に付属するのが特徴です。
購入時に気になる重心の問題とは
コードレススティック掃除機を購入するとき、気にすべきポイントは色々ありますが、なかでも最初に考えておきたいのが「重心の位置」です。コードレススティック掃除機は、モーターやバッテリー、ダストボックスなど、重くてかさばるものを含めた「ユニット」を備えています。このユニットの位置が手元にあるものを「上重心」、床に近い位置にあるのを「下重心」と呼びます。
重心の位置がなぜ重要かというと、どちらもそれぞれメリット・デメリットがあるからです。メリットをあげると、たとえば上重心タイプはヘッド周りに邪魔なユニットがないので、ベッドやソファの下などの隙間掃除がしやすくなります。下重心タイプはユニットの重さをヘッドが受け止めるので、床掃除中に手に負担がかかりにくく、疲れにくいのがポイント。また、重心が床に近いためバランスをとりやすく、掃除を中断するときに掃除機を自立させやすいメリットもあります。
デメリットとして、上重心タイプは手に重さがかかりやすく、自立が難しい。下重心タイプは大きなユニットがヘッド近くにあるため、狭い場所にヘッドが入りにくくなります。
F9はユニットの位置を自由に変更できる機能を搭載。ユニットを上にすることで、ソファの下など狭い場所を掃除しやすくなり、ユニットを下げると床掃除のとき手に負担がかかりにくく、手軽に掃除機を自立させられます。
筆者がスティック型の掃除機で意外と重視しているのが、この「自立」できること。掃除中は家具を動かしたり、床の上の雑誌やコードを移動させたりと、掃除を中断することが頻繁にあります。こんな場合、自立しない掃除機だと、しゃがんで掃除機を床に寝かせ、掃除の再開時にしゃがんで掃除機を持ち上げる手間が発生するのです。掃除を中断するのが1回や2回なら問題になりませんが、掃除中にちょこちょこ発生すると体力を使うもの。
自立できる掃除機なら掃除を中断してもサッと再開できるのです。掃除はほぼ毎日するだけに、こういった余計な負担がかからないことは重要です。また、掃除機によっては「自立式」といっても、自立するバランスをとるのにコツが必要な製品もあります。F9は簡単にガッチリ自立するので気に入りました。