• ■『緊急取調室』(テレビ朝日系 4月11日スタート、毎週木曜 21:00~)
    第3シーズンに突入した『緊急取調室』。「取調室」という名の“密室の戦場”で行われる“銃も武器も持たない生身の人間同士の死闘”を描く。天海祐希が2年ぶりに妥協を許さないプロの取調官・真壁有希子になり、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、大倉孝二、でんでん、小日向文世らおなじみのメンバーも集結する。

――『キントリ』の脚本は井上由美子さんが担当されています。井上さんが書かれる脚本の魅力をお聞かせください。

「人間ってこう思うことあるよね」という心理の深さを突いてきますね。私たちも読んでいて楽しいですし、演じていてもすごく面白いです。

■三田佳子の演技で感じた「役者としてのすごみ」

――これまでの『キントリ』において、特に印象的だった回はありますか。

どの回もたくさん思い出がありますが、特にと言われたら、三田佳子さんが出てくださった回ですね。どんなに年齢を重ねても孤独であっても、誰かを思う心や大事にする心が、その人の生活を支えるということって本当にあるよなと。三田さんが徹底的に演じてくださって、すごく印象に残っています。「私、こんなおばあちゃん演じるの初めてなのよ」とおっしゃっていましたが、三田さんの役者としてのすごみも感じました。一番良い席で演劇を見せていただいた感じでしたね。

――ところで、「事情聴取」という点で言いますと、天海さんは「過去にスリを捕まえて、警察署で話を聞かれた」と、あるバラエティ番組で告白していましたね。

スリを捕まえて、調書を取っていただきましたよ。でも、そのときは取調室ではなかったです(笑)。刑事さんから「パトカーで送ってったるで」と言われて、乗りたい気持ちはありつつも「いや、電車で帰ります」と(笑)。ただ、その刑事さんたちも日々こういったことにぶつかっていたんだろうなと思うと、「皆さんお元気でいてくれたらいいな」と思い出したりします。

――そして今回の『キントリ』放送中に、平成から新元号に変わりますね。

1つの時代をまたぐわけですから、そう考えるとすごいですし、忘れられない作品になると思います。でも、時代は変わっても、良い心や悪い心は変わらずあり、犯罪もどんどん多様化しているじゃないですか。『キントリ』を見ていただいて、「こんな犯罪もあるんだ」と思っていただけたらうれしいですね。

――昭和、平成とテレビ朝日では多くの刑事ドラマが放送されていました。天海さんがご覧になっていた作品はありますか。

『相棒』はもちろん見てますね。過去の作品だと、子どもの頃から『西部警察』『特捜最前線』など、見ていました。「大門、撃って~! 来て~!」って(笑)。やっぱりどの作品も安定感、安心感があって、今まで応援してくださった方がガッカリするものには作られていないんですよね。『キントリ』もそうでありたいです。

――いろいろな刑事ドラマがある中で、『キントリ』にしかない魅力をお聞かせください。

事件が起き、犯人を捕まえるために奔走するだけではなく、『緊急取調室』は捕まった後が深いので、そこは他の刑事ドラマと違うところです。簡単には話さない被疑者に対して、色んな証拠や事実をぶつけて落とすというドラマはあまりなかったのではないでしょうか。人間同士の感情のぶつかり合いや人間の弱さ、ずるさなどがドロドロと密室の中で出てくるので、そこも楽しみにしていただけたらと思います。

■天海祐希
1967年8月8日生まれ、東京都出身。主な出演作に『離婚弁護士』『BOSS』『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系)、『女王の教室』『偽装の夫婦』(日本テレビ系)、『Around40~注文の多いオンナたち~』(TBS系)など。今年は映画『最高の人生の見つけ方』(2019年秋公開)への出演も決定している。