こうしたセンサー技術の採用で実現したのが、圧倒的な超高感度撮影です。ISO感度は最高ISO 409600で、ソニーのフルサイズミラーレス「α7S II」の最高ISO感度と同等のレベルに達しています。
これほどの超高感度は、40MPのメインカメラを使い、画素混合により実現したとみられます。ISO 6400まではどのカメラ、どの設定でも利用できますが、ISO 12800から40MPは選べなくなり、ほかのカメラへの切り替えもできなくなります。大型センサーとRYYBフィルターによる高感度でISO 6400までをカバーし、それより高いISO感度をデジタル技術でカバーする、という仕組みです。
ISO 409600といえば、ほぼ真っ暗闇でも明るく撮影できるレベル。夜景撮影では明るくなりすぎますが、電気を消した夜中の室内で子どもやペットを撮る、なんていう場合にも有効です。画質は、ISO 409600という数字から考えれば十分なレベルで、積極的に使いたくなります。
P20シリーズで採用された夜景モードも継続して搭載しています。連写合成による夜景モードは、「シャッタースピード4~6秒」相当の夜景撮影を手持ちで行えます。P20シリーズが登場した当時は、この夜景モードにも驚かされましたが、P30 Proはそれに加えて超高感度撮影という大きな付加機能を搭載したことになります。
AIを活用したシーン認識などは継続して搭載しています。新たに深度(ToF)カメラを搭載して深度情報を取得し、より正確な背景ボケを生成することも可能になりました。
「スマホカメラ」の常識が再び変わる
P30 Proのカメラ機能は、デジタル処理を駆使して新たな撮影体験をもたらしてくれます。16~270mmをカバーする高倍率ズーム搭載デジカメとしても十分に使えるレベルで、P30 Proがあれば一般的なコンパクトデジカメはもはや必要ないと感じました。
一般的なデジカメでは不可能だった撮影が手軽にできるP30 Pro、NTTドコモなどから販売されたP20 Proと同様に、P30 Proも国内で展開されることは確実でしょう。新たな撮影体験をもたらしてくれるこの“カメラ”、大いに注目を集めるのは間違いなさそうです。