■「意外と勉強もできる」は重要なファクター

――そして、クイズ番組などへの出演は、プロレスをもっと知ってもらうための良い機会ですよね。

それはもちろんありますね。プロレスを見たことがない人にとって、プロレスは「筋肉、大きい、いかつい」というイメージが先行しているジャンルです。筋肉もあるけど意外と勉強もできるじゃんというのは、実は重要なファクターで、今は僕が1人で支えている状況ですね(笑)。プロレスラーとクイズ番組はマッチングしない分、引っかかってはくれると思いますし、1人でも興味を持ってもらえればうれしいです。もちろん、テレビに出て有名になって、キャーキャー言われたいという個人的な思いもありますが(笑)、その知名度をプロレスに還元するのが目標です。

――そういった意味では、2018年度のプロレス大賞MVPを受賞しましたが、選考理由の1つがプロモーション活動での貢献でした。

そうですね。昨年は映画(『パパはわるものチャンピオン』)の主演を務めることができました。次は北野映画に出たいです(笑)。

――もうすぐ平成が終わりますが、次の年号になった後、その他でやりたいことはありますか。

くそ真面目なこと言っていいですか? 社会貢献がしたいです。去年はスーパーボランティアの方がニュースになっていましたが、プロレスラーも地方を回って、病院とかの施設をいろいろ訪れたりするので、そういった活動の幅を広げていきたいですね。

――リング上において、新元号後の目標はありますか。

平成になってデビューして、平成の終わりとともにチャンピオンベルトを失ってしまったわけです(注:2月11日、ジェイ・ホワイトに敗れてIWGP王座防衛に失敗)。年齢も今年43歳になりますが、「棚橋は平成に生きた」と言われるのが嫌なんです。

――総括されてしまうのが嫌ということですね。

そうです。「平成の棚橋」と「新元号の棚橋」で分けられるのが嫌です。虚勢かもしれませんが、これだけは言っておきたいですね。「棚橋はこれから全盛期を迎えます」と。日本の全レスラーを見て、俺にしかできないことはたくさんあると思います。これからも俺が引っ張っていきますので、期待してください。

――それでは最後に、『タイムショック』における棚橋さんの見どころをお聞かせください。

プロレス界を背負っている棚橋の奮闘ぶりをぜひ見てほしいです!

■棚橋弘至
1976年11月13日生まれ。身長181cm、体重101kg。1998年に入門テストに合格し、1999年に新日本プロレスに入門。同年10月10日にデビュー。主なタイトルはIWGPヘビー級王座(第45代、47代、50代、52代、56代、58代、61代、67代 ※最多戴冠記録)、G1 CLIMAX優勝(2007年、2015年、2018年)など。