■今回の劇場版は、ルーグのファンが増えそう
――逆に、ほかの方のお芝居をご覧になるなかで、印象に残ったシーンはありますか?
松岡 原さん、ルーグって言っていませんでした?
原 あ、そうですね。序盤で辱められるところが……(笑)。
松岡 「あれ?お前そんなヤツだったっけ?」と(笑)。
原 そうそう。ルーグって今までお堅いイメージがあったので……。でも実は私、同じ日に収録できなかったのでこれをふーりん(福原綾香)がルーグとしてどういう表現をしているのかを聞くのが、個人的にすごく楽しみなんですよ。
松岡 今まで、ずっと冷静に「当機は」「当機は」って……。
原 ね(笑)。でも本当に、今回ルーグファンになる方多いだろうなって思います。
――今回は、くだけた感じの表情をみせることが多いですよね。
原 たしかに。アキオもですけど、今まで見せてない一面を見せるキャラクターが多いように思いますね。
――そのアキオも、序盤からすごく大事なキャラクターのひとりだと思いますし。
松岡 いや、柚木(涼香)さんすごかったですね。
原 そうですね。物理的には2キャラ分を演じているぐらいに年齢が変わるので……。しかもそんなアキオの、さらに深い部分を知ることのできるお話でもありますからね。
松岡 それはたぶん、『トリニティセブン』の世界で生きているアラタたちがどう思っているのか?というのをちゃんと掴めているからだと思います。というのも、いかに見知った人間だとしても、新しく作品が始まるとその作品の中での関係性はゼロからのスタートになるんですよ。
だから最初のころだと「どこまでやっていいのかな?」というレベルゲージはわからないんですけど、今回の劇場版はTVシリーズや前作を通じて「もっとやっていいんだ」とか「ここは抑えなきゃ」というように関係性が構築されていった結果のものなので、最初からみんなやりたい放題やれているんです。
原 それに今回の劇場版では、アクションシーンを、アクションにすごく強いスタッフさんが担当されているということなので、それも完成版を観るのがすごく楽しみな要素のひとつなんですよね。
松岡 アクションシーンも、アフレコの段階だと絵コンテから完成した部分まで混在しているなかでやらせていただいていたんですけど、コンテの力だけでも「うわ、これ絶対完成したら鳥肌立つぐらいすごいシーンになるぞ!」というのが本当に多々あったんですよ。
■リーゼのシーンのアドリブには、入れた理由があるんです
原 あと、今回はセクシーシーンも割と強烈ですよね(笑)。そこは(東山)奈央ちゃん(リーゼロッテ=シャルロック役)の素晴らしいお芝居もそうですけど……。観たら、ドキドキしそうです。
松岡 僕は、アドリブが生かされてるのかが怖いんですよね。
原 アドリブ?
松岡 リーゼとのシーンで、1個入れてみたんですよ。
原 あ、そうなんですね!
松岡 リーゼが「アナライズ」と言ったあと、アラタの裸にチュッとキスをするんですけど、そのときに「あーはぁーん!」と言ったら、あとで審議対象に入って。「あれ、使うかどうかわかんないけど一応録っときますね」と。
でも、それを入れたのにも理由があって。あそこのシーンはリーゼが艶めかしく見えがちで、長いシーンなんですよ。でも最初のほうで一発笑いを取っておけば、それが余韻として残って緩和してくれて、映画館で「うわ、なんかヤバいシーン始まっちゃった!」みたいに気まずくならないんじゃないかな? と思ったんですよね。
原 あはは(笑)。でもそうですね。それがコミカルに映ったなら、ちょっとまろやかになりますよね。
松岡 ええ。だから思いっきり入れてみたんです(笑)。
――では最後に改めて、劇場版を楽しみにされている読者の方へひと言ずつお願いします。
松岡 今回は劇場版第2弾なのですが、時系列としてはTVアニメから直結したものになっています。今回やらせていただいたものを通じて、本当にこの座組で精一杯やれるということが、こんなにも楽しいことなのか! と思わせていただけるぐらい真剣に楽しんで、精一杯演じさせていただいたので、ぜひみなさんにも楽しんでいただけたらなと思います。アクションシーンなどの絵や音の持つ迫力、あとは肌色率という部分もあるので、これは家のTVじゃなくて映画館で観てほしいですね。
原 劇場版を第2弾までできる作品ってなかなか多くないと思うんですが、みなさんの応援のおかげもあって劇場版第二弾を公開できて、本当にうれしいです。それに『トリニティセブン』への作品愛のあるキャスト陣やスタッフさんとまたこうやって集まれたことも、喜ばしく思っています。もちろん今回の劇場版を何度も観ていただけたらと思っているんですが、まだまだ原作も続いていますので、末永く『トリニティセブン』という作品を応援していただけたらうれしいです!