インテルは3月28日に報道関係者に向けた記者会見を実施しました。そこでは、2019年第1四半期(2019年1月から3月)における事業内容の振り返りのほか、物流システムにおけるデジタルトランスフォーメーションを実現するためにインテルが投入した「インテル コネクテッド・ロジスティック・プラットフォーム」(Intel Connected Logistics Platform。以下、ICLP)の概要説明とユーザーにおける導入ケーススタディが紹介されました。
インテルは3つの側面からデジタルトランスフォーメーションを支援する
2019年第1四半期の振り返りについて、インテル 代表取締役社長の鈴木国正氏から説明がありました。鈴木氏は、2019年1月に米国ラスベガスで開催されたCES 2019に合わせて発表したIce LakeとLakefield、2月のMWC 2019で明らかにした5G対応モデムと対応SoCなど、新製品のアナウンスを取り上げています。
続けて鈴木氏は、クリエイター向けのXeonとして2019年第1四半期に販売を開始した28コア/56スレッド対応の「Xeon W-3175X」や3月に発表した「FPGA PAC N3000」を紹介。
さらに、eSprotsイベント「IEM」(Intel Extreme Masters)についても「グローバルで10数年にわたって取り組んでいる。前回のIEM Katowice 2019では参加者15万人と、日本国内と比べて規模が全然違う。このようにインテルはeSportsに大きな力をかけている」と語っています。
日本国内のPC事業では「きわめて健全な安定期」という考えを示しました。法人PCでは働き方改革の他にWindows 7の買い替えなどが、教育向けPCでは2020教育改革やプログラミング授業の導入が、個人向けPCではゲーミングPC、クリエーター向けPCが、それぞれの分野で需要を後押ししているといいます。
クラウド・アーキテクチャと5Gにおける取り組みとして、インテルは、クラウドアーキテクチャを構成するデバイス、接続機器/エッジ、ネットワークコア、データセンター/クラウドといったすべての領域に対して、製品を提供することを目指しています。
さらに、まもなく実用となる5Gネットワークに対応することで「5Gビジネス企画の拡大」にも注力していくと述べたうえで、鈴木氏は日本における最初の事例として楽天のクラウドネイティブネットワーク構築においてインテルが連携していることを紹介しています。
最後に鈴木氏は、日本におけるデジタルトランスフォーメーションに対するインテルの取り組みについて言及しました。その中で、鈴木氏は、インテル社長就任後に会ったほとんどの日本企業トップが、デジタルトランスフォーメーションに対する必要性を感じ、欧米と比べて遅れている現状に対する危機感を持っているものの、実際に何をすればいいのかで悩んでいるといいます。
それを踏まえ、日本のデジタルトランスフォーメーションを促進するための戦略チームをインテルで立ち上げたことを明らかにしました。
鈴木氏の説明によると、この戦略チームでは、3つの観点から企業のデジタルトランスフォーメーションを支援します。すなわち、
- 特定の産業に絞ってそれぞれの産業ごとにビジネス機会を検討し
- 既存のパートナーごとにどのような方法が最適なのかを検討し
- どのような技術的解決策が最適なのかを検討する
というアプローチで新しいビジネスの創出を中長期的に推進していくとしています。