もっとも、しばらく使い続けていると「これはちょっと」という、ウィークポイントも見えてくるので、最後にまとめておきたい。
まずは何と言っても、ボタンの数が少ないことだ。仕様上は7ボタンということで、潤沢な数があるように感じられるが、左右側面のボタンは利き腕によって排他利用になるので、実質的には5ボタンマウスと考えたほうがよい。
5ボタンマウスということは、つまり通常の3ボタンに「進む」「戻る」の2ボタン(初期設定時)を追加しただけである。市販のゲーミングマウスのように、これでもかと搭載されたボタンに、さまざまなコマンドを割り当てて使いこなす用途には、本製品は向いていない。
本製品は多くのゲーマーの協力によって仕様が策定されているそうで、この仕様はひとつの回答なのだろうが、筆者個人は作業の効率化のためにどうしても6つのボタンが必要であるため、不自由さを感じてしまう。ホイールの手前にせめてもうあと1つボタンがあれば、使い勝手も印象も、かなり変わっていたのではないかと思う。
非ゲーマーでも性能の高さを実感できる一品
もうひとつは、やはり価格だ。18,380円という、マウスとしてはとびきりハイエンドな価格設定は、さすがに実機で操作性を試してからでないと手が出しにくい。しかし前述したような、狙ったところにピタッと止まる精度の高さは、実機で試して初めて感覚的に理解できることで、店頭で棚に並べられたサンプルだけではなかなか実感しづらいのがもどかしい。
実機を使う機会に恵まれれば、今回の筆者のような非ゲーマーであってもその性能の高さは十分すぎるほど実感できるだけに、多ボタンを使わないユーザーにはうってつけ。もし量販店などで実機につながった店頭サンプルを見かける機会があれば、積極的に試してみてほしい。