SC-HTB01のもうひとつの目玉は、Dolby ATMOSなどの「オブジェクトオーディオ」。LRなどチャンネル別に音を流し続ける従来のオーディオ再生に対し、音の位置を立体的な座標で示し単発的に再生するというもので、Dolby ATMOSやDTS:Xが代表的な存在です。NetflixやiTunes Storeなど、オブジェクトオーディオをサポートする動画配信サービスは増加中ですから、ディスク再生はあんまりしないけどストリーミングであれば話は別、というユーザーにとっては興味津々なところでしょう。

  • SC-HTB01

    Dolby ATMOSなどオブジェクトオーディオに対応しています

ただし、現在のところ動画配信サービスのオブジェクトオーディオ対応にはひとクセあります。たとえばNetflixの場合、最近発売された4KテレビであればATMOS再生がサポートされますが、そうでないテレビやSTB(セットトップボックス)ではHDMI(ARC)にATMOSのデータは出力されません。ATMOS対応コンテンツも多いとはいえないため、確実にATMOS再生を楽しみたければ、ディスク(BD・UHD BD)が現状もっとも手軽な方法といえます。

そこでUHD BDプレイヤーをSC-HTB01のHDMI(ARC)端子に接続し、ATMOS再生を試してみました。選んだタイトルは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。オープニング部分を確認しましたが、砂漠を疾走する改造車の群れ、四方八方から聞こえるマックスの心の声、白塗りのウォーボーイズに追われる通路の狭さ……テレビの前にポンと置いただけのシアターバーとは思えない、かなり臨場感のある音です。特に高さ方向の表現力は秀逸で、平板的なになりがちなシアターバーのサラウンドとは趣が異なります。

  • SC-HTB01

    付属のリモコン。テレビとARC接続している場合は、テレビ側のリモコンでも操作できます

その理由をパナソニックに訊ねたところ、サブウーファーを内蔵したことが大きいといいます。SC-HTB01のサブウーファーは上向きに配置され、前面のスリットから音が出る構造ですが、それが定位感と高さ方向の表現力につながっているのだそう。なお、3Dサラウンドの効果をもっとも感じられる距離はテレビから3m以内、ゲームの場合は近めの60cm程度とのことです(24インチテレビの場合、パソコン用モニターでゲームをすることも想定されています)。

SC-HTB01の実売価格は35,000円前後と(2019年3月中旬時点)、2.1chのシアターバーとしてはやや高めの印象もありますが、むしろコストパフォーマンスは良好ではないでしょうか。RPG・FPS・ボイスと3つのプリセットを持つゲームモードを装備していること、高さ方向の音場表現に長けているうえDolby ATMOSなどオブジェクトオーディオをサポートしていること、サブウーファー内蔵ながらコンパクトなことは、同価格帯のシアターバーにない特長です。遊び慣れたゲーム、繰り返し見た映画が、改めて新鮮に感じられるはずですよ。

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