一口にノートPCと言っても、現在はさまざまな機構を備えたモデルがあります。そのなかでも個人的に現時点のノートPCの完成形と考えている360度ディスプレイ回転型機構を備えているのが、今回ご紹介する2in1コンバーチブルPC「HP Spectre x360」です。
いつもは最上位モデルをお借りすることが多いのですが、今回は税別139,800円と最も安価なベーシックモデルが編集部から送られてきました。シリーズのエントリーモデルがどのような使い勝手なのか、じっくりとチェックしていきましょう!
バランスの取れたスペック、デジタイザーペンも標準で付属しているなんて
最廉価なベーシックモデルのスペックは、CPUが「Core i5-8265U」(4コア8スレッド、1.60~3.90GHz)、メモリが8GB、ストレージが256GB SSD(M.2 PCIe NVMe接続)で、タッチ対応13.3型フルHDディスプレイを搭載しています。現時点のノートPCとしてはバランスの取れたスペックですね。CPUのコア数が少なくて処理能力が大きく劣る「Core i3-8145U」をラインナップしていない点は、日本HPの良心を感じさせます。
スペックでわりと本気で驚いたのが、顔認証カメラと指紋認証センサーをベーシックモデルにもダブルで搭載していること。顔認証カメラは画面を見るだけでロックを解除できるのでお手軽です。でも、直射日光下では正常に動作しないことが多いので、指紋認証センサーも用意されていると重宝するんです。安全性や使い勝手に関わる装備を、全モデルに共通して搭載している点は全メーカーが見習うべきだと思います。
同梱品も充実していますね。デジタイザーペン「Spectre アクティブペン」だけでなく、専用スリーブケースも同梱。細かなところでは、ACアダプター用に、電源コードだけでなくダックヘッドも付いています。当面はアクセサリー類を購入する必要はないはずです。
新旧端子が装備されていてナイス、でもmicroSDカードがガクシ
HP Spectre x360はアルミニウム削り出しのユニボディーを採用。本体サイズは308×217×14.3~16.0mm、重量は約1.32kgです。インタフェースが新旧そろえられているのは◎。底面側の「角」を斜めにカットしていて、その斜め部分にUSBポートと電源ボタンを配置しているのが斬新です。
USB Type-C 3.1 Gen 2(右側面×2、Thunderbolt 3対応)、USB Type-A 3.1 Gen 2(左側面×1)、microSDメモリカードスロット(右側面×1)、ヘッドセットジャック(右側面×1)が用意されています。
Thunderbolt 3に対応したUSB Type-C 3.1 Gen 2が2基、USB Type-A 3.1 Gen 2が1基という構成は使い勝手よいですよ。普段はUSB Type-Cハブを使うとしても、ちょっとしたときにはふたつあったほうが便利ですし、Type-A端子はUSBメモリや一昔前のUSB周辺機器を接続するときに重宝します。
個人的にちょびっと残念なのは、Type-C端子が右側面に集中していること。両側面にあったほうが、ACアダプターでどちらからでも充電できて便利なんですよ。
そして、個人的にすっごく残念なのは、メモリカードスロットがmicroSD仕様なこと。一般的なデジカメってフルサイズのSDメモリカードが採用されていますよね。アクションカメラや360度カメラではmicroSDメモリカードスロットが活躍しますが、個人的な要望として日本HP様には懇願しておきます。後生です~。