• 大友花恋

――演技の「上手さ」「下手さ」を意識するのではなく、もっと中身の部分と向き合うことが大切なんですね。

お芝居を始めたての頃は、「このタイミングでこの表情になれば、ビックリしている表情に見える」とか、「こうすれば悩んでいる感じが伝わる」とか、そういうのを意識していたのですが、いろんな監督の作品で先輩方とお芝居をした時に、「上手さ」を目指すのも1つの手段ですが、その奥に自分の気持ちがついていかないと意味がないと思う瞬間が何度もあって、「上手い」とか「下手」とかより、そのすべての状況を信じて、「その世界に役としていかに存在していられるか」を大切にしようと思いました。

――そういったことを体現しているような、心に残る役者さんはいましたか?

たくさん影響を受けた方はいて、いろいろな先輩方と一緒にお芝居をさせていただく度に感動しているのですが……衝撃を受けたというか、とても刺激を受けて勉強させていただいたのは、『こえ恋』(16)の親友役で共演した永野芽郁ちゃん。今はとても仲良くさせてもらっているのですが、当時はそれが初対面で。ステキな出会いになりました。

当時の私は同い年の子とお芝居をする機会があまりなくて。ある時、芽郁ちゃんが急に泣き出すシーンがあって、「なぜ泣いてるんだろう」と自分で不思議に思いながら泣くシーンだったんです。芽郁ちゃんが監督に、「例えば自分の気持ちがこうだったら、自分では分からないまま涙が流れると思います」と話していて。そういう難しいシチュエーションでも、役のことを100%信じて、役と自分を結び付けることができるのは本当にすごい。その姿は、ずっと忘れないようにしようと思いました。

  • 大友花恋

――その後、永野芽郁さんも『Seventeen』専属モデルに。すごい縁ですね。

そうですね。ちょうど、そのドラマを撮っている時に、「今度、『Seventeen』に行くんだよ」と言われて、「これからもずっと親友でいられるね」と盛り上がった記憶があります(笑)。

――同じく『Seventeen』の横田真悠さんと3人で仲が良いそうですね。お二人が出演している『3年A組』を毎週ご覧になっていると聞きました。

同世代の皆さんのお芝居合戦を観ていて、ヒリヒリします。観ていて「すごいなぁ」と思う反面、「私があの場所に立っていたらどうなるんだろう」とか……毎週日曜に刺激をもらっています。

  • 大友花恋

――一視聴者としては、濃すぎる日曜の夜ですね(笑)。

はい(笑)。なので、ドキドキします。観たいような、観たくないような……でも、やっぱり画面からは目が離せなくて。

――そういう刺激は積極的に受けるようにしているんですか?

できるだけ多くの作品を観るようにしています。何よりも、テレビっ子なんです。バラエティ、ドラマ、ニュース、音楽番組を観るのが好きで。自分の小さい頃から変わらない部分です。家族とも食後にクイズの答えを予想したり、歌番組で弟と妹3人で踊ったり。その名残で、今でも家族でバラエティを観たり、一人でじっくりドラマを観たりすることが多いです。

  • 大友花恋

――テレビ業界の方、大喜びですね。

弟と妹も一緒に。テレビ大好き家族です(笑)。

――大友さんの出演作を家族みんなで観ることはないんですか?

あります! だいぶ慣れましたが、最初は本当に不思議な感覚で。観ながら、少し言い訳をしてしまったり(笑)。