「あ、日曜日だ。」
2月17日、大友花恋はインスタグラムでそんな心の声をつぶやき、「#3Aの日だ」「#3年A組」と共に、永野芽郁、横田真悠とカラオケに行った時の写真を投稿した。ファッション誌『Seventeen』で「かれまゆめい」の愛称で親しまれている3人。永野と横田は今年1月クールで話題を呼んだ『3年A組』(日本テレビ系)に出演し、大友は一視聴者としてドラマを楽しみにしながら、役者として刺激も受けたという。
『悪夢ちゃん』(12・日本テレビ系)で地上波連ドラ初出演を果たし、『こえ恋』(16・テレビ東京系)、『チア☆ダン』(18・TBS系)、映画『君の膵臓をたべたい』(17)など数々の話題作に出演。3月12日よりFODにて配信をスタートする連続ドラマ『いつか、眠りにつく日』は連ドラ初主演作となり、これまでの経験値を惜しみなく注いだ注目作だ。
大友が演じる高校2年生・森野蛍は修学旅行中の事故で亡くなり、「死後49日以内に3つの未練を解消しなければ地縛霊になる」という教えに則って、3つの思いを果たしていく。独自の演技論で役柄と向き合う大友。その脳裏には、「衝撃を受けた」という永野芽郁の言葉が刻み込まれていた。
■「私がこの子になる」覚悟と準備
――連ドラ初主演、おめでとうございます。出来上がりはご覧になりましたか?
ありがとうございます。実は、まだなんです。撮影期間がそこまで長くなかったので、役としてどうやって居続けようか、ずっと考えていたのですが、モニターで細かくチェックするタイミングもあまりなくて。次のことを考える瞬間がとても多い現場でした。自分が蛍ちゃんという役をどこまで全うできていたのか。完成した映像を見ていないのでどうなっているのか、少し不安です(笑)。
でも、「早く見たい」というのは不安からだけではなくて、原作で見ていたキャラクターが目の前にいて、そんな空間に私も入ってお芝居をしていたのがとてもキラキラした時間だったからです。終わってしまったことがとても寂しくて、またすぐみんなに会いたいです。台本をいただいてから撮影が始まるまでは2週間ぐらい。その1~2カ月前ぐらい前に原作を読ませていただいて、台本には原作で好きだったシーンやセリフがそのまま反映されていたので、原作のイメージを大切にしながらお芝居をしていた感覚です。
――出演することが決まってから読む原作は、いつもの読書と違いますよね?
全然違います。「私がこの子になるのか」と思いながら原作を読んで、たまにカギ括弧の部分を口に出して読んだりしています(笑)。撮影までたくさん時間があったので、何度も小説を読み返すことができて、とてもありがたい期間でした。
――役との距離感について、ブログには「役の蛍ちゃんと、自分の隙間が埋まっていくような不思議な感覚に出会います。それって、すごく贅沢。自分自身が蛍ちゃんに8歩くらい、蛍ちゃんが、私に2歩くらい歩み寄ってくれている感覚。ほんとは、、、ほんとうは私が10歩歩けたらいいのですが、、、。私の課題で悔しさを感じる部分」(2019年2月6日)と書いてありました。この感覚は自然とつかんだものですか?
台本を読んでお芝居をする時に常に感じることです。台本上の役のことを全部理解して私が役に10歩近づくことが理想なんですが、自分の考え方だったり、歩き方だったり、表情だったり、そういう普段の姿がお芝居中にも出てしまって、2割くらいは自分が出てきてしまうと感じます。今回は原作があって、私が演じる前から蛍ちゃんのことを知っている方がたくさんいるので、特に私の方から歩み寄りたかった作品でした。そうやってお互い近づいて1人の人物が浮かび上がるのは、不思議な感覚でもあり、楽しい瞬間でもあるんです。
――今まで、10歩近づくことができた役はありますか?
ありません……。「今回の役は、花恋ちゃんの普段と変わらないよね」と言われることがあるんですが、私自身も自分と役が似ていると思う瞬間があります。たぶん、それは自分と役が歩み寄っているからこそなんだろうなと。だから、10歩近づけることはあまりないと思います。