SLAMがなくても十分
自らの位置を認識するためのマッピング技術「SLAM」や、レーザーを発光して位置情報を取得するといったナビゲーション機能は、ローランに搭載されていません。しかし、タイヤ回転数によって移動距離を計算し、本体の角度を検知するジャイロセンサーにより、おおよその位置を推定しながら自走できるとのことです。
また、前方の側面2カ所に赤外線センサーを備え、障害物を検知しながら走行可能です。障害物に対応する能力は、一般的なロボット掃除機と同レベルだと感じました。壁や家具にたまに衝突するものの、動きがとてもゆっくりしているため、個人的には気にならないレベルです。
一方で、底面に4つの落下防止センサーを備えているものの、筆者宅では玄関につながる廊下の端で必ず落下して、停止していました。仕様によると、検知できる落差は「10cm以上」となっているので、10cm未満の段差がある家では注意したほうがよさそうです。
どんな人、どんな家にオススメ?
本体はバッテリー式で、約2.5時間の充電で約60分の運転が可能。ただしバッテリーはニッケル水素電池のため、リチウムイオン電池に比べると劣化が早いのが欠点。バッテリーは別売り6000円で販売されており、自分で簡単に交換できるよう設計されています。
本体サイズは、W240×H80×D243mmで、重さは約2.5kg。回転ローラー機能を搭載していることもあり、床拭きロボット掃除機「Braava」と比べてちょっと大きめ。狭い場所や、込み入った間取り、床にたくさん物がおいてある場所には適しません。満充電からの最大稼働面積は20畳となっており、10畳くらいのリビングはもちろん、20畳くらいの広々とした空間の床掃除にも向いています。
ローランでいちばんのメリットは、市販のウエットシートを利用可能な点。Braavaの場合、市販のシートを利用できるのはドライモード(乾拭き)時のみ。物理的には取り付け可能ですが、故障のおそれがあるため、メーカーでは推奨していません。ローランは回転ローラーにより、手を汚さずシートを自動で着脱できるのも利点でしょう。オススメできるのは、「床の水拭き掃除をこまめにしたい」かつ、「使い捨てシートで手間なく掃除をしたい」という人だと思います。
個人的に次のモデルで改良してほしい部分は、本体の持ち手。ローランはなかなかのサイズと重さで、移動させるにはひと手間かかります。充電ケーブルを本体につなぐ必要があるため、本体を手で持ち上げ、運ぶ動作も多かったです。持ち運び用ハンドルのようなものが本体にあると、ユーザーの負担を軽減してくれるのではないでしょうか。
床拭きロボット掃除機は、吸引型のロボット掃除機では吸い取れないような小さなホコリや砂塵、花粉といった床の表面のザラ付きまでキレイに拭き取ってくれます。特に、裸足で過ごすことが多い夏場の快適さは雲泥の差。しかし雑巾がけを手で行うのは、掃除機をかける以上に重労働です。それを代わりにやってくれるのが床拭きロボット掃除機。フローリングの上で寝転がったり、座ったりすることの多い人は、ぜひ利用してほしい製品です。