楽天だけが採用しているものなの?
NFV自体は以前より多くの企業が取り組んでおり、楽天だけが使っている訳ではありません。実際、NTTドコモは2016年よりNFVを商用環境に導入しています。
では、楽天のNFVが他社と何が違うのかというと、全ての機器をNFVで構築している点です。既存のキャリアは既に導入済みの機器もあることから、全てをNFVに置き換えるのは難しい部分があります。ですが楽天は新規参入で、ゼロからネットワークを構築していることから、全てをNFVで構築するという思い切った判断ができました。その分NFVの恩恵をフルに受けられるメリットがあるわけです。
仮想化で楽天の料金は安くなるの?
NFVによって機器調達コストは下げられるほか、メンテナンスの手間が軽減するなどして従来のキャリアのネットワークよりもコスト削減はしやすくなることが予想されます。そのことが、楽天が通信料金を安くする要素の1つになる可能性はあるでしょう。
ですが通信料金は戦略的な要素が大きく、ネットワークだけでなくプロモーションや端末調達などさまざまなコストを考慮する必要があります。NFVだけで料金を安くできるとは限らないことは、覚えておくべきでしょう。
初めての技術だと不具合が出る可能性もある?
楽天側はNFVで構築されたネットワークでの検証作業を進めており、問題がないことをアピールしています。ですが商用サービスで、ネットワークを構成する全ての機器をNFVにするというのは世界初の試みだけに、どこまでうまくいくのか?という点はまだ不明瞭な点が多いというのも正直な所です。
それだけに、実際にサービスが始まった時にどのような成果を見せるのかは大いに注目されます。まずは2019年10月のサービス開始で、そのお手並み拝見といきたいところです。