コケムス
パーク内でひと際目立つ大きな建物が「コケムス」だ。ここでは、作品としてのムーミン物語やその背景をより深く知るために、体感型展示やトーベ・ヤンソンのさまざまなアート作品が展示されている。
3階はおもに体感展示で、光や音を駆使して原作の場面を再現した展示や、絵本の中に入ったかのような展示が楽しめる。
2階にはこれまでのムーミンの作品や原画が展示されている。
また、期間限定でさまざまな企画を展開する企画展では、第1弾として「トーベ・ヤンソンとムーミン展」を実施。ムーミン誕生以前の画家としてのトーベの作品や初期のムーミングッズなど、貴重な資料を見ることができる。
こちらの「遊び」という作品は、ヘルシンキアート美術館から今年11月まで借りているもので、トーベがフィンランドのアウロラこども病院に寄贈した壁画の原画となったもの。コケムスの階段にもこの絵が再現されている。
オリジナルのバッジづくりや、物語に登場する「うみうま」の絵付け体験(料金別途)などができるワークショップ「パヤ」も2階にある。
1階部分は売店と食堂になっている。幻想的な夜の森でのパーティをイメージした「ムーミン谷の食堂」では、スナフキンの帽子をイメージした「緑の帽子のパスタ」(1,296円)や「ムーミン谷の彗星」のワンシーンをイメージした「彗星ハンバーグ」(1,620円)などを提供する。
「ムーミン谷の売店」は、ムーミンショップとしては世界最大級で、キャラクターグッズやお土産にもなりそうなお菓子などが販売される。またこのほか、パーク各所に「カート」と呼ばれる小さなショップがあり、それぞれオリジナルのグッズなどを扱うという。
おさびし山
パーク奥の「おさびし山」は、自然の中でムーミンの世界をアクティブに体験できるエリアとなっている。
「飛行おにのジップラインアドベンチャー」(4歳以上1,500円/身長制限などあり)は、宮沢湖の上を往復400メートル滑空するアトラクション。ハーネスだけで宮沢湖面を駆け抜ける体験はスリル満点で、大人でも十分に楽しめそうだ。
また、おさびし山を登っていくと、大きなツリーハウス「ヘムレンさんの遊園地」(日の入りで終了)が姿を現す。森の中を行き来できるつり橋やすべり台など、川﨑氏も「本当に図面どおりに完成しました」と話すツリーハウスは、大人でもつい遊んでみたくなる自然の中の遊び場となっている。
このようにさまざまな体験や展示が用意されているムーミンバレーパークだが、何より魅力的なのは、宮沢湖畔の豊かな緑と各施設が自然に溶け合い、ゆったりとした時間の流れる空間そのものだ。ムーミンの世界観の中で、子どもは身体全体で、大人は心の中まで自然を楽しむことができるテーマパークとなっている。
「家族や友人はもちろん、ひとりでも"いつでも戻ってこられる場所"であることが、このパークのテーマです」先述のクリエイティブディレクター・川﨑氏はこう話した。
ムーミン好きも、そうでない人も、ぜひ一度飯能に足を運んでみてはいかがだろうか。
<パーク情報>
開園時間:10~20時
チケット:おとな1,500円/こども(4歳以上小学生以下)1,000円
※園内一部有料アトラクションあり
駐車場:料金別途/事前web予約可能
※価格はすべて税込み