其原:私も『R/B』の撮影では、いろんな楽しい思い出がありました。中でも面白かったのは、スタッフさんのモノマネをみんなでしていたこと(笑)。
――スタッフさんのモノマネをされていたというのは、いちばん初めのテレビシリーズ発表会見の席でも話していらっしゃいましたね。
小池:スタッフさんには個性的な方が多くて、モノマネの対象になりやすかった(笑)。
平田:半年間ずっと一緒に過ごしていましたから、ファミリー感がすごいんです。
其原:録音の星(一郎)さんのマネをしていましたね。
平田:星さんは録音技師のレジェンド的存在で、昔の東京オリンピックのころからお仕事をされていたそうなんです。
小池:助監督の越(知靖)さんも、動きに特徴があってよくモノマネをしました(笑)。
平田:なんといっても、ご本人の前で披露できるくらいの芸になっていますから。
小池:ご本人公認なんです(笑)。
其原:撮影はほんとうに楽しかった。いやなことが全然なかったです。
平田:スタッフさんにとても良くして頂いた現場だったと、しみじみ思います。
――映画『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』はテレビシリーズ最終回から「1年後」の綾香市が舞台となり、湊家のみんなが夢に向かって進んでいく中でカツミだけが未来へのビジョンが見えず、思い悩むというストーリーだとうかがっています。カツミを演じる平田さんにかかるドラマ的ウエイトも大きかったようですね。
平田:高校時代、一緒に野球をやっていた友人・戸井ゆきお(演:西井幸人)とカツミが再会する、というところから物語が展開していきます。将来への"夢"を失ったゆきおがトレギアと遭遇してどのように変わっていくのか、そして、カツミがゆきおをどうやって救い出すのか……。ゆきおとのシーンはそれほど長いものではないですが、2人でいるシーンがとても印象に残っています。
――先ほどもお名前が出ましたが、濱田龍臣さん演じるウルトラマンジード/朝倉リクとの共演も映画の大きな見どころのひとつですよね。リクの初登場シーンでは、お父さんのウシオがアサヒとの仲を疑って、無線機でカツミとイサミに指示を出しながら接近するコミカルな演出がありました。
其原:あんなに心配することないのにねえ(笑)。
平田:そりゃあ、父親や兄たちはアサヒのことが心配なんだよ!
其原:リクくんとの出会いは、どんな風になるのかなと思って台本を読んだら、あんな感じになっていてビックリしました。お父さんも初対面のリクくんにあんな失礼な態度で(笑)。
小池:リクとアサヒが会っている、あそこのシーンは僕たちにとっても、気が気じゃないところですからね(笑)。
其原:最終回から1年が過ぎても、お父さんのああいうそそっかしいところが変わっていなくて、いいところだなって思いました。
平田:ウシオ、カツミ、イサミが通信機でやりとりするシーンは面白かったよね。「コードネームが全員ファルコン1だと、誰が誰だかわからないよ!」って(笑)。
小池:楽しかったけれど、撮影が真夏だったので暑くて大変だったなあ。
平田:銀之丞さんがあまりの暑さでダウンしていたのが印象的でした。
小池:そうそう。休憩になると、ベンチに座ってずっと黙っていたんだよね。いつもはたくさんお話をして、場を盛り上げてくださるのに。
平田:珍しく、体力の限界を感じているお父さんが見られました。
其原:お父さん、顔にペイントしていたじゃないですか。あの塗料の匂いがすごくキツかったらしいです。「油絵教室にいるみたいだよ……」なんてこぼしていました(笑)。