――AIというお話が先ほどから出てきますが、大橋さんは元々AIにどのようなイメージをお持ちでしたか?
あの……このまま技術が進んだらAIが人類を滅ぼしにくるのかなというイメージしかなくて。色々と覚えさせていったら賢くなりすぎて、いつか反逆するみたいな。SF作品の見過ぎですね(笑)。
――今や将棋だってAIが勝つ時代ですもんね。
だから、ほとんどの仕事がAIの技術でこなせるようになるんじゃないかなと。あとはいわゆる単純作業的なことをやってくれたり、1日のスケジュール管理もAIがやってくれたりする時代ももうすぐ来るのかなぁと思い描いています。ちょっとワクワクしますね。
――ワクワクですか!
私、『PSYCHO-PASS サイコパス』ってアニメが好きなんですけど、あの作品で1日のスケジュール、ご飯はなんだとか、次の仕事はなんだとか教えてくれるAIが登場したんですよ。それをやってもらえるのはいいなぁ。
――大橋さんはAIに対して苦手意識などはなさそうですね。
全然ないです! むしろwelcomeです。
――さすが、かなでを演じる声優さんです! 一方で『エビスト』では、アンドロイドに音楽が支配されているのに対して、生の人間のよさを伝えたいという「ハニプラ」のメンバーが頑張っていく物語です。個人のアーティスト活動や様々なコンテンツで歌われている大橋さんですが、人間ならではの良さを感じることはありますか?
うーん……細かい感情の部分は人間のほうが出るんじゃないかなぁ。歌にはきっと人生経験みたいなものも乗るんですよ。そういう点で、より繊細な表現ができるのは人間な気がします。逆に言うとボーカロイドは人間にはできないキーや言葉選びができるからすごい。それぞれに良さってあるんじゃないかな。うまく共存していければより良い未来が待っている気がします。
――イベントやライブでそういう人生経験や感情が乗ったなと思う瞬間がある?
ありますね。今回はここがよかったとか、ここが失敗したと思うことがあります。人間って毎回同じようにはできない、粗みたいなものもあるじゃないですか。それが人間らしさなのかなと思っています。
――難しいご質問にもお答え頂きありがとうございました。今回、AI機能という形で再び『エビスト』に関わることになりましたが、今後、どういう展開を期待していますか?
せっかくなので、このAIの機能がもっと広がればいいなぁとは思っています。それこそ等身大くらいのかなでちゃんが家にいるといいですね! 話し相手になってほしい。「ただいま」って言ったら、「おかえり!」って返ってくるだけで心が温かくなりそう。
――飼われている猫のフレアちゃんが嫉妬するかもしれません。
ふーたそ(フレア)はビビりそう! 物音に敏感なので、急にかなでちゃんが喋りだすと驚くんじゃないかな。
――気が付いたらかなでとふーたそと話しているかも……。
猫語まで! さすがかなでちゃん。でもそのボイスを収録するのは私なんですよね(笑)。ただ、すでに猫の真似をいているボイスは収録しているので、ぜひ聞いてほしいな!
――楽しみです。あとは音楽ゲームなので、今回をきっかけにかなでの曲が作られるなんてこともあるかもしれません。
いいですね! かなでちゃんならピコピコ系の可愛い楽曲かなぁ。「元気」に振り切ってもいい気がします。
――ほたるとのデュエットなんかも聞いてみたいです。
良さみですね! それは"良さみ"しかない。かなでちゃんにとって、念願ですからね。もし歌えるのであれば嬉しいな。『エビスト』のなかだと個人的には同じアンドロイドの2_wEiが気になっているんですよ。もうワンマンライブもやっているんですよね。Twitterでライブの写真が流れてきて「カッコいいな」といつも思っています。
――今後登場するかもしれないアンドロイド全員で歌うのもいいかもしれないです。
そうですね。みんな個性があって面白そう。
――最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。
業界としては初の取り組みということで、ぜひ多くの人にプレイして頂きたいです。今回のことをきっかけにかなでちゃんの魅力を知って頂き、日々の生活のささやかな糖分と言いますか、癒しにして頂ければと! 今日からかなではあなたの家族です。家族としても先生としても接して頂けると嬉しいですね。
――みなさんがプレイすればするほど大橋さんのボイスもたくさん収録されるようになりますよね。
そう言われるとそうか……。みなさん、私にお仕事をください~(笑)。