一説によると、日本における「バレンタインデー」の経済効果は1,000億円を超えるとも言われているらしい。
そんなことを言われても、女性からチョコレートをいただく頻度が金環日食と同じぐらい少ない筆者にとっては何の実感も湧かないし、平成最後のバレンタインデーも当然のことながら収穫はゼロであった。
バレンタインデーによってもたらされたのは、「そもそもバレンタインというものは3世紀ごろローマ帝国にいた聖ヴァレンティヌスが」と唇の両サイドに泡を充実させながらまくしたててくる同僚の存在ぐらいだ。
このままではいけない。そう思った筆者は、「自分たちでチョコを作ろう」と周囲の同僚たちに声をかけた。国生さゆり氏が歌っていたように、バレンタインデーは「特別スペシャル・デー」であり、「誰もが浮かれてカーニバル」なのだ。せめて楽しい思い出ぐらい作らせてほしい。節分も兼ねて担任の麦谷先生に麦チョコを全力投球していた男子校時代の苦いバレンタインデーメモリーをなんとしてでも塗り替えたい(投げたチョコはそのあとみんなで食べました)。
チョコ作りに挑戦するメンバーが集結
というわけで今回は、エービーシーキャピタルが展開する「ABC Cooking Travel」に協力していただくことに。
「食」と「体験」にまつわるさまざまなプログラムを実施しているABC Cooking Travelでは、「料理を通してチームビルディングを行う」といったコースも用意しているとのこと。普段のオフィスとは違うカジュアルな環境で、誰もが親しみやすい「料理」というテーマに取り組む。それによってお互いの新たな一面も発見でき、チームの結束が強められるのである。
チョコ作りに挑むのは、普段同じオフィスでともに仕事をしている以下の3名。もちろん今年のチョコ獲得数は全員ゼロだ。
1人目は、営業部に在籍している25歳の大原(仮名)。好きなチョコレートは「トッポ」。“最後までチョコたっぷり”でおなじみのトッポをセレクトするあたりに、自身のスカスカ具合をどうにか補おうと苦悩する心の内が見て取れる。
2人目は、同じく営業部に在籍している27歳の富樫(仮名)。好きなチョコレートは「泡チョコフォンデュ」。冒頭でサイドクチビルに泡を蓄えながらバレンタインの由来を早口で話していたのは彼である。おそらく泡が好きなのだろう。
3人目は、編集部に在籍する29歳の西田(仮名)。好きなチョコレートは「ツインクル」。棒状のものは何でも武器だと勘違いしてしまう無邪気さが吉と出るか凶と出るか。道具は正しく使おう。
事前に相談した結果、メニューは「ティラミス・ミルクレープ」に決定。レシピを用意していただき、その後は一から自分たちの手で作り上げていく。しかし、この3人に任せるのはどう考えても嫌な予感しかしない。そこで今回は特別に、料理が得意な女性ゲストを投入してみることにした。
さらに、レシピを作成していただいたABC Cooking Travelの本柳景子さんにもオブザーバー的な立ち位置で入っていただくことに。
これにより、シンプルに料理のクオリティが上がるのはもちろん、男性陣は「女性がいるチームにおいてのコミュニケーションや振る舞い」も学べるのではないかという寸法だ。そこに「初対面」という要素も加わっているため、なんなら男性陣がチョコをいただけない原因すらも見えてくるかもしれない。