Xperia 1では、トリプルレンズ仕様のカメラを搭載しています。レンズの構成は、16mm/F2.4の超広角レンズ、26mm/F1.6の広角レンズ、52mm/F2.4の望遠レンズ(いずれも35mm換算)となります。
広角レンズと望遠レンズには光学式手ブレ補正機能が用意されます。この光学式手ブレ補正は動画撮影時にも有効で、特に暗所での動画撮影時にはかなりの効果を発揮するとしています。
各レンズの撮像素子は、サイズは公表されていませんが、画素数はいずれも1,200万画素となります。このうち、広角レンズと望遠レンズの撮像素子は全画素で位相差オートフォーカスが可能なデュアルピクセルオートフォーカス仕様となります。これによって、暗所でのオートフォーカス性能が大きく向上しているとのことです。
「α」の瞳オートフォーカスを搭載
スマホのカメラとして初となる、瞳オートフォーカスにも対応しました。人間の瞳を検出して、常に瞳にピントを合わせる機能で、ソニーのデジタル一眼カメラ「α」に搭載されています。特にポートレート撮影時に大きな効力を発揮するでしょう。
また、最大秒10コマの連写時にも高速オートフォーカスに加えて高速自動露出が可能となりました。連写時にも常にピントと露出が正確に設定されますので、連写時の画質も向上しそうです。
また、XZ3に比べて撮像素子の画素数が減った(XZ3では1,900万画素でした)ことで、画素ピッチが14μmと32%大きくなるとともに、レンズもF1.6と明るくなったことで、XZ3に比べて約4倍の高感度撮影が可能になっているそうです。
加えて、画像処理エンジン「BIONZ X for mobile」では、撮像素子から取り出したRAWデータの段階でノイズ低減処理を行ってJPEGに圧縮することで、従来よりノイズを低減し、より高い解像感が得られるようになったそうで、写真画質の向上もかなり大きいようです。
シネマカメラ同等の「シネマ動画」を撮影可能に
そして、シネマコンテンツの作成を可能とするために、プロ向けデジタルシネマカメラの最新モデル「VENICE」と同等のUIを備え、アスペクト比21:9、24fps、映画同等の色相や絵作りのプリセットを備える動画撮影機能「Cinema Pro」が用意されます。
通常のビデオのようなビビッドな質感ではなく、映画のようなしっとりとした質感の動画が撮影できるという点は、かなり尖った機能ではありますが、刺さる人には非常に魅力的な機能となりそうです。
ゲームも21:9のディスプレイで変わる!?
21:9のディスプレイを活用するコンテンツとしてもうひとつ定義されているのがゲームです。
まず、Xperia 1に合わせてゲームメーカーと協力し、Epic Gamesの「フォートナイト」、Gameloftの「アスファルト9:Legends」、Tencent Gamesの「Arena of Valor」といった有名スマホゲームで21:9表示への対応が実現されます。それも、単純に画面を21:9に引き延ばすだけでなく、ゲーム側で正式対応となるそうで、他のディスプレイに比べて見えない敵が見えるようになるなどして、より有利にプレイできる可能性が高まるとしています。
また、「ゲームエンハンサー」という機能も搭載します。ゲームエンハンサーでは、パフォーマンスの最適化や通知の制限、ゲームプレイ中の攻略情報閲覧機能、プレイ動画の録画機能、スクリーンショット撮影機能が用意されるそうです。
これまでのXperiaとは違う魅力の新フラッグシップ
ここまで見てきたように、Xperia 1には様々な特徴的な機能が搭載されます。ただ、MWC 19 Barcelonaの会場ブースでは、実際にこれら機能をじっくり体験できませんでした。それは、まだ画質やカメラなどの最終調整を行っている最中で、最終的に満足のいくクオリティが実現できていないから、とのことでした。
Xperia 1のコンセプトは、『好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを』。完成したXperia 1を触ってみないことには判断は難しいと思いますが、非常に尖った仕様は万人受けするスマホからはややかけ離れるかもしれません。
それでも、これまでとは違う魅力を持ったスマホに仕上がることは間違いないでしょう。Xperiaらしさが戻ってきたと感じる製品に仕上がることを期待したいと思います。