絞り開放での描写でも、エッジのキレはなかなか上々。少し絞れば、より引き締まった描写になります。12-100mm F4 IS PROのように、開放絞りからカリカリの解像感というわけにはいきませんが、コントラストがいくぶん高めなので好ましい描写が得られます。
画面の周辺が暗くなる周辺減光は、開放絞りだとすべての焦点距離でちょっと目立つものの、こちらも少し絞れば大きく改善します。ゴーストやフレアの発生もよく抑えられており、逆光でも気にせず撮影が楽しめるレンズだと感じました。
群を抜く高倍率ながら軽量でコンパクトなこのレンズは、旅行や運動会、日ごろのお出かけなどで便利に活躍してくれるでしょう。前述のとおり写りは良好ですので、オリンパスのミラーレスユーザーにとって満足度の高いレンズがまたひとつ増えたといえます。価格もそこそこお手ごろで、フルサイズミラーレスを使っている人もうらやましく感じる存在になりそうです。
著者プロフィール
大浦タケシ
宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマンやデザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般紙、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。2018年は写真展(個展)が開催できず猛省。今年は少なくとも写真を撮りため、写真展の足がかりをつくりたいと考えています。日本写真家協会(JPS)会員。