オリンパスの高性能ミラーレス「OM-D E-M1X」の圧倒的な撮影機能が話題ですが、少し間を置いて登場した交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」も大きな注目を集めています。35mm判換算で24~400mmもの範囲を1本でカバーできるにもかかわらず、常識外れのコンパクトな設計に仕上げているから。マイクロフォーサーズ機の使い勝手が格段に高まりそうな注目レンズの使い勝手や画質を、いち早くレビューします。
16.7倍ズームでも小型軽量、しかも防塵防滴構造
オリンパスが、マイクロフォーサーズ用のズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」を発表しました。何といっても驚かされるのが、そのズーム域。35mm判換算で24~400mm相当までの画角をカバーしており、ズーム倍率は実に16.7倍と驚きです。画質の低下を抑えたクロップ機能「デジタルテレコン」を使えば、最大800mm相当の撮影も可能。このレンズ1本でスナップや風景、スポーツなど、ほとんどの撮影に対応できるといっても過言ではありません。
これほどのズーム性能ながら、レンズを小型軽量に抑えているのも注目できます。サイズは、既存の8.3倍ズームモデル「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」よりも17mmほど短く、重さも100g以上軽く仕上げられています。レンズ内の手ぶれ補正機構を省略したことや、レンズの明るさが違うとはいえ、ズーム倍率を高めながらここまで小さくできたのは評価できます。
E-M1Xに装着すれば最大7段分もの手ぶれ補正効果が得られるので、ある程度しっかりカメラを構えれば望遠側でも手ブレの発生はそう心配しなくてよいと思います。E-M1Xと組み合わせでは手に持ったときのバランスも悪くなく、しっかりとホールドできました。ほかのOM-DシリーズやPenシリーズに装着しても、さほどレンズヘビーになることはないように思います。
PROレンズに匹敵する描写も期待できる
肝心の描写性能については、レンズの大きさとズーム倍率、価格を考えれば文句の付けどころがありません。ワイド端の24mm相当からテレ端の400mm相当まで、描写で気になるクセもなく、どの焦点距離でも安心して使えると感じました。