白倉氏は『ジオウ』での半田、村上の出演について「役を演じることには絶大な信頼をもっていましたし、後進の若い俳優たちに良い影響を及ぼす点についてもありがたかったです。特に"大先輩が来るぞ"と彼らが身構えているところに、とても仲のいい"素の半田健人、村上幸平"がやってきて、率先して場の雰囲気をほぐしてくれていたところがよかった。でもあんまり和みすぎて、今ではレジェンド(ライダー)俳優さんが来るとみんながバカにします……あっ、そんなことないか(笑)」と、ジョークを交えながら半田と村上のよき"先輩ヒーロー"としてのふるまいを称えた。

自分にとって「仮面ライダー」とは?という質問を受けた半田は「人生の中で"自分がやりたいこと・やろうと思っていること"と"やるべきこと"は違うと思うんです。『仮面ライダー555』という作品で乾巧を演じたことは、後者にあたります。それを最近、ひしひしと感じるようになりました。思えば、『555』のオーディションで白倉さんに選んでいただいたことから始まり、今日までこんなに熱いご支持をいただいている。僕のほうからプロモーションを何ひとつしていないにも関わらず、ですよ。これはもう、仮面ライダーとして生きていく運命だなと感じています。僕が演じた乾巧という役に何かを感じてもらえた方が全国にいらっしゃるようでしたら、これからもみなさんのお力になれるような動きを積極的に行っていきたい。そんな気持ちがありますね」と、熱い感想をとうとうと語った。白倉氏が「まさに藤岡弘、さんの道を歩む宣言ですね」と、絶妙なまでのいいパスを渡した瞬間、半田は藤岡の完璧なモノマネで「いやぁ~、そうかもしれないねぇ~ッ!」と返事をして、会場を爆笑に包んだ。

さらに半田は「乾巧を愛してくださる方々にお会いして、何か励ませるようなことができれば……。自分のこれまで歩んできた"道"についての話などが、他の方々の人生において少しでも参考になれば。そういう機会を持ちたいと思います」と、ファンたちとの交流を積極的に行いたいと希望を述べた。また「呼んでもらえればどこにでも行きます。でもそのかわり(話は)長いですよ! 途中で鉄道と歌謡曲の話が入りますから」と、自身の得意ジャンルである歌謡曲と鉄道の話はマストでついてくることを付け加えながら、強い意欲を表した。そして「これまで、いろいろな方々に助けられてきたことをようやく感謝できる年齢になってきました。この感謝の気持ちを何か別な形で"還元"したいという思いを持っています」と、真摯なまなざしで語った。

白倉氏は「『パラダイス・ロスト』は自分でも大好きな映画で、こうして1位に選んでいただいてすごくうれしいのですが、それと同時に悔しい思いもあります。正直、なかなかこれを超える作品を作れていないこともあり『おのれパラロス!』『おのれ"555"!』という思いなんです。今後、もっともっと良い作品を作り『パラダイス・ロスト』を超えられるように頑張っていきます。とりあえず我々は、今年の夏に公開される予定の『ジオウ』劇場版に取り組んでいます。まさにこれから"どういう映画にしようか"というネタを死ぬ気で考えて、スタッフに突き付けなくちゃいけません! 打倒『パラロス』です」と、『パラダイス・ロスト』への強い愛着と、今後この作品を上回る映画を作らなければいけないという強い思いを明らかにした。そんな白倉氏に半田は「僕、『ジオウ』の映画に出られませんかね? 出ますよ! 大きな役じゃなくてもいいです。誰かの後ろを歩くだけとかでもいい。面白ければ、楽しければいい!」とまさかの"カメオ出演"リクエストを敢行。白倉氏も半田の言葉に乗り「その節はぜひよろしくお願いします。一緒に『パラロス』を倒しましょう!」と声をかけた。

半田は最後の挨拶で、『仮面ライダー555』および乾巧というキャラクターが長年にわたって人々を魅了し続けていることに感謝を述べつつ「役者として"これを観てもらいたい"と思うものはたくさんありますけれど、実際には観てもらえないことのほうが多い。そんな中で、これだけ長きにわたって熱く支持されている『仮面ライダー555』というコンテンツが存在しているわけで、これを大事にしていくほうが良くないですか?というのが最近の私の"さとり"です。だから僕は、ファイズとして、乾巧として、生きていきます!」と力強い言葉と共にしめくくり、客席からの大きな拍手と歓声を浴びた。