「S1R」と「S1」の違いは?
解像度のS1R、高感度のS1としてすみ分けを図り、さらにS1は動画性能を高めてビデオグラファーもターゲットにしています。動画では、「フルサイズミラーレスカメラでは初めて」(山根氏)という4K/60Pの動画撮影に対応。HDR動画もサポートし、さらにS1では今後のアップデートで4:2:2 10bitやV-Logにも対応します。両モデルともフルHDで180fpsのスローモーション動画に対応するほか、S1Rでは8Kのタイムラプス動画も撮影できます。
動画のHDRと同様に、HLG(Hybrid Log Gamma)を活用してダイナミックレンジを拡張した静止画を撮影するHLGフォトも、デジタルカメラで初めて搭載しました。HSP形式の画像で記録され、基本的にHDR対応4Kテレビで閲覧することを目的としており、新しい写真表現を実現する、としています。解像度は8Kと4Kで、基本的に4Kテレビの視聴を想定しているから、とのことです。
特にこだわったというのがファインダーです。576万ドットという高精細なOLED(有機EL)を採用し、表示タイムラグ0.005秒、フレームレート120fps、ファインダー倍率0.78倍で、接眼レンズを新開発してすみずみまでひずみやコントラスト低下を抑え、「人間の視覚に近づけた」(山根氏)というほどです。
レンズは、ライカのLマウントレンズが装着できます。パナソニックは、卓越した描写性能、印象的な立体表現と美しいボケ味、高速・高精度AFとDual I.S.2、動画対応、という4つのポイントにこだわったとする、3本のレンズをまずは投入します。キットレンズでもある「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」に加え、新たに「LUMIX S PRO Certified LEICA」シリーズが登場します。
このレンズは、パナソニックの山形工場が持つ精密なレンズ製造技術によって生み出された大口径非球面レンズを活用しており、独自の厳しい基準を新たに設け、ライカの基準もクリアしているといいます。そのため、最後にCertified by LEICAと付与されています。
もともとパナソニックは、マイクロフォーサーズ向けにライカの基準をクリアしたライカ銘のレンズを製造・販売してきました。マイクロフォーサーズ向けにはライカのレンズがなかったために区別がつきましたが、ライカとアライアンスを組んだLマウントの場合、ライカレンズとの区別がつかないことから、新たにLUMIX S PROというブランドにして区別しています。そのため、ライカ品質のレンズとして期待できそうです。
用意されるのは「50mm F1.4」と「70-200mm F4 O.I.S.」の2本です。さらに、2019年度中には「24-70mm F2.8」、「70-200mm F2.8」、「16-35mm F4」の3レンズと、1.4倍と2倍のテレコンを準備しています。2020年度中には超望遠ズーム、単焦点を2本、マクロレンズを1本、発売する予定。10本以上のレンズラインナップと、ロードマップを描きます。
ライカは2020年度中に18本のレンズ、同じアライアンスのシグマも19年から14本のレンズをラインナップさせる予定で、合計で42本以上となり、レンズも充実するという点もアピールしています。
特にプロ向けをアピールするS1R/S1ですが、プロサポートを提供するLUMIX PRO SERVICES(LPS)も充実させます。世界7拠点のLPSのどこでも活用できるほか、2020年の東京五輪でもLPSを展開し、「万全のプロサポート体制を提供」(山根氏)します。さらに、これまで東京・秋葉原にあったLPS拠点を銀座に移転させます。
この拠点には、新たにLUMIXショウルームとギャラリーを開設。LUMIXの発信拠点として製品展示や写真展などを行うほか、LPSのサポートも提供します。開設は2019年4月下旬を予定しています。
綾瀬はるかさんの写真集×10冊をLUMIX Sで撮る
S1RやS1をプロに使ってもらうためのプロジェクトも実施。「LUMIX CHALLENGE」と銘打ったプロジェクトでは、まず女優の綾瀬はるかさんが今後講談社から刊行する10冊の写真集について、それぞれ撮影するカメラマンの機材としてLUMIX Sシリーズを提供。その過程でプロカメラマンが感じたフィードバックを「正直に」話してもらい、それを公式サイトで公開するとしています。
公式サイトでは、写真集に使わなかったアザーカットや撮影風景などのコンテンツも公開されるそうです。