• 『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』法律監修の塩見直子弁護士(左)と三輪記子弁護士

2人とも今回が初のドラマ監修だそうで、塩見氏は「もともと法廷モノや弁護士モノのドラマが好きでずっと見てきて、学生の頃に天海祐希さんの『離婚弁護士』を見て、『弁護士の仕事ってカッコいいな』と思ったくらいなんです。『リーガルハイ』も大好きです。だから、お話をいただいたときは、すごくうれしかったです」と感激の様子。

一方の三輪氏は、松竹芸能に所属してバラエティ出演の経験も多いが、「ドラマは全然作り方が違うなあと思いました」と感想を述べながら、「私は『きらきらひかる』が好きだったんですけど、あれも監察医という専門性の高い主人公の会話劇が面白い作品で、今回はその弁護士版という感じだと思いました」と印象を語った。

そして、法律監修の立場から、あらためて今作に対して感想を聞くと、三輪氏は「竹内さんも水川さんも、ちゃんと女性の立場でものを考えて強く生きていこうというメッセージがすごくあると思うんです。それを、法律を武器にしてどうやって実現するかというのが、見どころだと思います」とコメント。

塩見氏は「弁護士の仕事って一辺倒ではなくていろいろ幅広いんだというのを、視聴者の方が知ってくれたらいいなって思います。法律事務所の敷居が下がって気軽に相談してくれたり、若い世代が弁護士の仕事って面白そうって思ってくれたらいいですよね」と期待を示す。

  • 竹内結子(左)と水川あさみ＝2月7日放送の第5話より (C)フジテレビ

■門戸拡大、意識の高まりが背景に

前クールでは『リーガルV～元弁護士・小鳥遊翔子～』(テレビ朝日)、『SUITS/スーツ』(フジ)が視聴率で結果を出し、今クールは今作に加え、『グッドワイフ』(TBS)、『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ)と、弁護士が主役のドラマが各局でラインナップされている。その要因について、本職の弁護士はどう見ているのか。

塩見氏は「やっぱり門戸が広がったというのがあるのではないでしょか。弁護士数も増えましたし、メディア露出も増えて身近な存在になっているので、弁護士という仕事に興味を持つ人も増えたのではないかと思います」と語る。

一方、三輪氏は「社会的な事象を、感情的に捉えるのではなく法律家から見るとどういう解釈ができるのか、どんな解決が法的に望ましいのかということに対する一般の方の興味が高まったのではないかと思います」と分析。「セクハラとかパワハラとかブラック企業とか、そういうキーワードがどんどん出てきて、実はそれらが法的問題に帰着するという説明がされてきた積み重ねの中で、困ったときは弁護士に頼ればいいという意識が高まったことも相まって、弁護士ドラマを作ろうという盛り上がりにつながっているのではないでしょうか」と答えてくれた。

■三輪記子
2002年東京大学法学部卒業、09年立命館大学法科大学院卒業、10年に弁護士登録。17年に塩見直子弁護士とともに東京ファミリア弁護士事務所を開設。現在『ビビット』(TBS)、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)、『キャスト』(ABCテレビ)等にレギュラー出演。

■塩見直子
2007年慶應義塾大学法学部卒業、09年東京大学法科大学院卒業、10年に弁護士登録。17年に三輪記子弁護士とともに東京ファミリア弁護士事務所を開設。


  • 『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系、毎週木曜22:00～)
    氷見江(竹内結子)ら危機管理専門の弁護士たちが、情報を操作して裏で社会を動かすスピン・ドクターとして活躍する姿を描くドラマ。2月7日放送の第5話では、経済評論家で鬼嫁コメンテーターとして活躍する木村よう子(遠野なぎこ)が、夫を離婚に応じさせて欲しいと依頼してくる。 (C)フジテレビ