最後に消費電力である。3DMark FireStrike Demo(グラフ74)、Far Cry 2K(グラフ75)、FinalFantasy XV Bench 1.2 2K標準画質(グラフ76)の3つの消費電力変動を示す。
FireStrikeの結果を見ると、Radeon VIIは最終的には370WあたりでVega 64とほぼ同等の消費電力に落ち着くが、そこまでの過程がだいぶ異なっている。RTX 2080がやけに低めなのは、負荷が軽いせいだろうか?
印象的なのはFar Cry 5の結果で、Vega 64が440~460Wあたりで高止まりしているのに対し、Radeon VIIはほぼRTX 2080と重なる結果になっており、負荷に応じて消費電力がきちんと変化している。
FinalFantasy XIでも一見重なって見えるが、Vega 64はFar Cry 5の様に常時高め、一方Radeon VIIはRTX 2080同様に負荷に応じて細かく消費電力が変化している。
グラフ74~76の平均値と待機時の消費電力をまとめたのがグラフ77、ここから待機時との差を算出したのがグラフ78である。FireStrikeはともかく、Far Cry 5とFinal Fantasy XVでRadeon VIIとRTX 2080の消費電力がほぼ同じ、というのは非常に面白い結果になっている。
少なくともVega 64に比べれば消費電力を明確に減らし、かつ性能を改善したことは明らかで、これが7nmプロセスの効用というわけだ。ただRTX 2080と比較した場合、消費電力はともかく性能面ではまだキャッチアップしきれていないので、性能/消費電力比ではまだおよばないという結論になるかと思う。