林編集長は別記事で、HPのデザイン部門のグローバル責任者であるステイシー・ウルフ氏にインタビューしており、詳しい開発話なども聞いています。
林:さっそくですが、実際に触ってみてどうでした?
諸山:ファッションってこういうことだなと感じました!
林:もう少し分かりやすく……。
諸山:たとえば、服のような感じです。服って、行く場所とか会う人によって何を着るか変えるじゃないですか。このPCもそうなんです。
性能面や機能面ではどこにでも持っていけるんですが、ファッションとして見るとそうじゃない。どこで使うのか、何に使うのか、どんな服装で使うのかで、合う合わないが分かれるんです。
最初に見たとき、これは「使う人を選ぶ製品だ」と感じたんですが、使ってみて人ではなくシーンだと気づきました。「シーンを選ぶ製品だ」と印象を改めました。ただ極端なわけではなく、服でいうとセミフォーマルくらいだと思います。ラフな服装でHP Spectre Folio 13を使っていて、似合っていると言ってもらうのはハードルが高そうな気もします。
林:なるほどー。普段着よりはスーツで使っているほうが、絵になりそうですね。
諸山:高級な万年筆と似ているかもしれません。ビジネスの現場では広く使えても、遊びの場に持ち出そうとすると、場合によっては場違い感が出ちゃう。使い勝手が悪いという意味ではなく、似合う似合わないが出る、だからファッションが近いんではないかと。
林:珍しくいいこと言いますね。
諸山:革の加工は細かなところまで凝ってます。ステッチの入っている場所もあって、とてもファッショナブルです。
林:コバと呼ばれる革の端の断面は、曲げたり伸ばしたりを繰り返しても傷みにくいように、革職人が手塗りで補強しているそうですよ。
諸山:革の表面は、メンテナンスしやすくて経年変化もしにくいクロムなめしですね。ロゴもさり気なく押されていて、下手に金箔などを使っていないところが渋くてよいです。