日本HPが2018年暮れにリリースした、世界初(同社調べ)の本革採用2in1 PC「HP Spectre Folio 13」は、歴代のHP Spectreシリーズの中でも極上のラグジュアリーさを誇ります。PCの在り方に一石を投じる意欲的なモデル、ユーセージを考えてみました。
HP Spectre Folio 13から受けた第一印象は、「使うシーンを選ぶ服のような製品」でした。
13.3型ワイドの狭額液晶とボディは、一見するとクラムシェル型のノートPCにレザーカバーを取り付けたようなシルエットです。本体を閉じると大判型のシステム手帳のようにも見えます。この状態を「フォリオモード」といいます。
最高級の牛革を使用したフルグレインレザーは、カバーだけでなくパームレストなどにも使われ、本体と融合しているんです。ユーザーが剥がせるようにはなっていません。
液晶ディスプレイは、デタッチャブル2in1のようにキーボードの付け根から離せます。ディスプレイの背面中央でつながっているため、キーボード部分と分離はしません。デタッチャブル2in1とコンバーチブル2in1の中間とでもいいましょうか。
キーボードを隠すようにディスプレイ下部を前に押し出して立てる「メディアモード」は、Webを閲覧したり、動画再生やゲームで遊べるようタッチパッドも使えます。
そのままキーボードを覆うようにたたんで「タブレットモード」にすれば、付属のペンを使った操作がよりスムーズになります。
タブレットモードにしたとき、キーボードが底面にこないのも1つのポイント。手に持ったときに指がキーボードに触れないので、違和感を覚えることもありません。筆圧と傾き検知に対応した「Spectre アクティブペン2」を使って、手書き入力なども簡単に行えます。
HP Spectre Folio 13のラインナップは、ベーシックモデルが2機種、スタンダードモデルが2機種の計4機種です(2019年2月上旬時点)。各モデル、ストレージ容量で2機種に分かれます。スタンダードモデルにOffice Home & Business 2016を搭載した「スタンダード・Officeモデル」を加えると5機種となります。
2019年春には、現状のカラー「コニャックブラウン」に加えて、「ボルドーバーカンディ」が発売される予定です。外装とパームレスト部分に使われている本革の色だけでなく、キーボードカラーも異なります。コニャックブラウンのキーボードはブラック、ボルドーバーカンディのキーボードはシルバーです。
スペック概要ですが、CPUはベーシックモデルがIntel Core i5-8200Y(1.30GHz)、スタンダードがIntel Core i7-8500Y(1.50GHz)となっています。メモリはいずれも8GB、ストレージはベーシックモデルが256GBまたは512GBのPCIe NVMe SSD、スタンダードモデルが512GBまたは1TBのPCIe NVMe SSDです。
グラフィックスはIntel HD Graphics 615(CPU内蔵)、13.3型ワイド液晶はタッチ対応で解像度が1,920×1,080ドットのフルHD。インタフェース類は、USB Type-C 3.1×3(電源オフUSBチャージ対応、うち2つはThunderbolt 3 対応)、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートのみで、レガシーなコネクタは排除しています。価格はベーシックモデルの最小構成が税別169,800円(税別)です。
これらの構成と価格から分かる通り、ミドルハイからハイエンドのスペックであり、「滲み出る贅沢さ」というよりは、もはや「むき出しの贅沢さ」と表現したほうがしっくりくる「高級機」です。
今回はベーシックモデルの「13-ak0001TU」を試用しました。Intel Core i5-8200Y(1.30GHz)、8GBメモリ、256GB PCIe NVMe SSDということで、サクサクの使用感。Webブラウズや動画再生、Officeソフトなど、筆者の日常的な使い方ではまったく不満はありません。
今回はちょっと趣を変えて、HP Spectre Folio 13を使った感想について、筆者(諸山)とマイナビニュース・デジタルの林編集長で、場末で語らってみました。