女優の米倉涼子が主演するテレビ朝日系『松本清張ドラマスペシャル「疑惑」』(2月3日21:00~)。同作では、米倉が真実解明のためには手段を選ばない敏腕弁護士・佐原卓子を演じ、ドライブ中に海に落下したが夫のみが溺死したため「保険金目的で夫を殺した」疑惑がある“悪女”白河球磨子(黒木華)を弁護する。
米倉がこれまで松本清張作品で演じてきた“悪女”の魅力や、“悪女”と対峙(たいじ)した今作の見どころ、そして今作で共演し、遺作となった俳優・津川雅彦さんとの思い出などを聞いた。
■清張作品は「すごく親近感」
――過去にも数多くの松本清張作品に出演してきた米倉さんですが、今回のオファーを聞いたときの感想をお聞かせください。
松本清張先生とは面識があるわけではないですが、15年前の『黒革の手帖』から携わらせていただいて、自分の作品としてすごく親近感があります。自分の中では「合っている」という感覚があります。その中でも『疑惑』という作品は好きな作品の1つなので、すごくうれしかったです。
――これまで松本清張作品で"悪女"を多く演じてましたが、今回は悪女の白河球磨子ではなく、彼女と対峙する弁護士・佐原卓子を演じますね。
私、泳げないんですよ(笑)。なので、シーン的に球磨子役は必然的にできないんです(笑)。
――"悪女"を演じるうえでの魅力は、どのようなところにあるんでしょうか。
「なんでもあり」というのが悪女の魅力ですよね。なにをしても怒られないという(笑)。人ができないことで何ができるのか、考えることが楽しいんです。悪女としての転機は、『黒革の手帖』で生まれたのかなと思います。
■難しかった弁護士役「ギリギリまで大変」
――今作で"悪女"と対峙する弁護士役を演じて、なにか発見はありましたか。
悪女を演じたときは「自由だから悪女ってすごく楽ちん」って思っていました。今回、悪女を見ている側を演じて、「バカだな~」とか「手なずけているのはこっちなんですよ」と心の中で笑ってる悪い気持ちいうか、悪女と言われる子を泳がせるというような感覚がありましたね。私、悪女気質があるのかな(笑)。でも、また違う気持ちになれて、演じていて面白かったです。
――近年、米倉さんは医者役など、社会的に地位の高い役も多く演じていますね。
そうですね。年齢もあると思いますが。医者の場合は、病気というものは日常と背中合わせですし、誰にでも起こりうる可能性があるじゃないですか。でも弁護士の場合、弁護されたりすることはなかなかないわけです。しかも、弁護士さんは説得力を出すために、あえて難しい言葉を使うこともあるんですって。なので、余計に普段聞かない言葉も多かったので、なかなか頭の中に入って来なくて、ギリギリまで大変でしたね。台本を覚えるのはもちろんですが、その言葉を利用して説得させるお芝居をしないといけないので、弁護士役は難しかったです。