本日、武田航平ナイトに集まったファンの皆様へメッセージをお願い致します。

「仮面ライダー」の世界の航平くんを愛して下さってありがとうございます。音也と一海、両方の全く違う魅力を存分に楽しんでいってください。そして……、実はどんな役をやっても武田航平の持っている独特の「光沢」は隠すことはできません。その「光沢」を存分に味わってください。

しいはしによって読み上げられた田﨑監督からのメッセージを受け、客席からは大拍手が巻き起こった。褒められまくった武田は、照れ隠しに「次に(田﨑監督と)会うのがこわい」と言いながらも、さわやかな笑顔で田﨑監督の思いに応えていた。

続いて、サプライズゲストとして『仮面ライダービルド』で"みーたん"こと石動美空役を演じた高田夏帆が登場し、武田を驚かせた。高田は仮面ライダーグリスのボディカラーにちなんだ「黄色尽くしのバラの花束」を手にして「武田航平ナイト」を祝福した。

高田は「航平さんはリアルヒーローだ!ってことだけは言っておきたい」と興奮気味にコメント。自身の2019年カレンダーの撮影を武田が担当したことについて「車がいっぱい通っている狭い道路を歩かなければいけないことがあって、そこで航平さんはナチュラルに私を守ってくださって……」と、さりげなく女性の身をいたわる優しさを備えた武田を「リアルヒーロー」だと何度も呼び、称えていた。

武田は『キバ』『ビルド』という「仮面ライダー」シリーズ2作品に出演したことを改めてふりかえり、「『仮面ライダー』は自分の俳優人生の中で軸になる存在。すばらしい仲間、応援してくれるファンのみなさんと出会えるきっかけを作ってくれました。特にファンの方たちの支えがなければ、僕はこの場所に立っていられません。本当に、みなさんのおかげです。感謝しております。僕にとって『仮面ライダー』とは、すてきな縁をつむいでくれた作品です」と、多くの出会いを生み出した「仮面ライダー」シリーズへの感謝と、大勢のファンへの強い感謝の気持ちを表していた。

山口監督と入れ替わる形で、『仮面ライダービルド』のテレビシリーズや夏の映画『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』を手がけた上堀内佳寿也監督と、『ビルド』のプロデューサーである大森敬仁氏、谷中寿成氏が登壇し、そのまま武田、高田と一緒に最前列に着席。このメンバーによって『仮面ライダービルド』第47話「ゼロ度の炎」(脚本:武藤将吾、監督:上堀内佳寿也)コメンタリー上映が行われた。

このエピソードは、前回である第46話「誓いのビー・ザ・ワン」のラストで一海が「グリスブリザード」に一回限りの変身を見せる際、「Are you ready?」というベルト音声に「できてるよ」と答えるという最高の名シーンのリピートから始まる。この「できてるよ」は上堀内監督による提案で生まれたセリフだった。これについて上堀内監督は「Are you ready?は"準備はいいか"という意味の言葉ですけど、そこを一海が"覚悟はいいか"と捉えて"できてるよ"と返すのはどうか、と思ったのですが、僕が説明するまでもなく即答で"覚悟はできてるよ"ってことならいいですよ、と言われた。おお~この人怖いなあ~って思った」と、自身の思いと武田の思いがシンクロしていたことを明かした。

仮面ライダーグリスが最初で最後のフォームチェンジを行った姿であるグリスブリザードを見た武田は「グリスブリザードの肩の部分に大切な仲間・三羽ガラス(赤羽、青羽、黄羽)の紋章が入っているところと、出身地である北都のイメージである"雪"がボディ全体に盛り込まれているのがすごく嬉しかった」と、自身にとって思い入れの強いフォームチェンジができたことへの喜びをしみじみと語った。

グリスブリザードの戦闘シーンは、美空がひとり見守る中で行われた。高田はこのシーンにあたって、いつもと違う緊張感を保つため、食事をとらず撮影に臨んだという。上堀内監督は「夏帆ちゃんは待ち時間が長くても、ずっとモニターを見つめて動かなくてね。気を張りすぎちゃダメ、気を抜きなさいって、と思った」と、現場の張りつめた雰囲気を回想すると同時に、高田の気持ちの入り具合を称えた。

いよいよ、美空が一海の背中にすがりつき、彼の"最期"を見とるシーンに差しかかったとき、高田を含め、客席のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきた。大粒の涙をこぼしつつ、それでも無理に笑顔を作ろうとする美空のカットを見た上堀内監督は「こんな夏帆ちゃんの顔を見たら、(編集で)切ることができなかった」と、高田の迫真の演技に最高の賛辞を贈っていた。

戦兎、万丈、幻徳、紗羽が待つ広場に美空が現れ、一海の消滅を伝えるシーンでは、上堀内監督が得意とする「あえてセリフを入れず、無音にする」演出が深い悲しみを表現していた。これについて大森氏は「このシーンは上堀内監督の演出を想定した、武藤さんのアテ書き。台本の段階からセリフが書いてないんです」と説明し、これを受けて上堀内監督は「『君ならこう撮るでしょ』っていう台本をもらったのは初めてです(笑)」と、台本を受け取ったときの驚きを回想した。

上映後、ふたたびステージに上がった武田は「第46話での『悪い、戦兎、約束破るわ……』のくだりで、一海が顔を上げたときにカミホリくんから"ちょっと笑ってくれ"と言われた。このちょっとした"表情"を使うのが、めちゃくちゃ上手い!」と上堀内監督の演出力に確かな手ごたえを感じたことを明かした。

上堀内監督は「改めて映像をスクリーンで観て、僕は『ビルド』という作品が好きなんだなあと感じました。また『ビルド』の世界を演出してみたい」と、"続編"に期待を寄せるコメントで会場を沸きに沸かせた。

高田は「こんなに大勢の方たちと一緒にすすり泣くことができました。みんなと気持ちが一緒になれたことが嬉しかったです!! そして、こんな場をいただけたのは武田航平さんがいてくれたから。本当にみーたんオタクが航平さんでよかったです!」と改めて武田に感謝の言葉をかけた。

最後に武田は、「『仮面ライダー』は、日本が世界に誇ることのできる作品だと思います。そんな作品に携わることができて心から感謝していますし、みなさんにはこれからも『仮面ライダー』を応援してほしいです。いつか、『仮面ライダー』が世界にはばたくときが来たら、その際は、上堀内監督、大森・谷中プロデューサー、そして出演は僕と夏帆ちゃんで、という願いを持っています。また『ビルド』の世界は『仮面ライダークローズ』で終わりますけれど、僕はあくまでも"一旦"だと思っています! 僕は『ビルド』に関して発言したことをすべて成し遂げてきたつもりです。それは、みなさんの応援とスタッフさんの支えあってのことですが、たぶん(続編が)できるでしょう!! その日が来るまで、『ビルド』ファンみなさんはたくさん声をあげてください! 今日はどうもありがとうございました!」と『ビルド』のさらなる"続編"に夢を馳せながら、ファンの応援を呼びかけてイベントをしめくくった。

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』は現在大ヒット公開中。なお、マイナビニュースでは平成仮面ライダー20作を記念した『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』大特集を展開している。