これまで特殊な撮影モードの数々を紹介してきましたが、動画撮影時の画質は両機種とも満足といえます。特に、Mavic 2 Proは大型センサーの余裕からか、描写に立体感を感じるほどでした。

大型の1インチセンサーらしく、階調が豊かで深みのある色調だ。立体感も感じられる。色調的には、被写体や条件によってわずかにアンバーの傾向が見受けられることがあるが、画質重視のドローングラファーも満足する写りといえる

明暗比の高いシーンでの撮影だが、不足のない描写である。階調も豊かで、1/2.3インチの小さなセンサーであることをほとんど感じさせない。絞り機能を搭載していないため、本格的な撮影に臨むならばNDフィルターの用意はマストだろう

写真撮影の画質も満足できます。特に、大型の1インチセンサーと単焦点レンズがもたらすMavic 2 Proの精細な描写は、高画質コンパクトデジカメ並みといえるでしょう。Mavic 2 Zoomのみ、超高解像度の静止画撮影機能も搭載しています。複数回撮影した写真の合成(マルチショット)により4800万画素の写真を生成する撮影機能で、1200万画素では解像度が物足りなく感じるときなど重宝します。

  • Mavic 2 Proで撮影した写真。画像サイズは5464×3640ドットと大きい。大型の1インチセンサー+単焦点レンズのおかげで、隅々まで精細に描写している

  • Mavic 2 Zoomで撮影した写真。画像サイズは4000×3000ドットで、描写は不満のないレベルだ

  • Mavic 2 Zoomで超高解像度の静止画撮影機能を使って撮影した写真。画像サイズは8000×6000ドットと標準の4倍のサイズになり、精細感も大幅にアップする

両機種とも甲乙つけがたい仕上がり

Mavic 2シリーズの2機種は、高度なテクニックなしに安定したフライトができるドローン本体と、ぶれや揺れを打ち消す高性能なジンバル、特徴のあるセンサーやレンズを搭載したカメラを搭載し、従来のカメラでは不可能な複雑かつ高画質な撮影を可能としたのが魅力です。DJIはカメラを専業とするメーカーではありませんが、専業メーカー顔負けの内容といえます。

今回のレビューでは、Mavic 2 ProとMavic 2 Zoomの両方をチェックしてきましたが、それぞれの持ち味や写りなどを考えると甲乙つけがたく、使い込むごとにどちらを選べばよいかますます悩ましくなりました。DJIのドローンを取り扱うセキドなどの専門店では無料の体験イベントを開催しているので、ぜひ実際に試してみるのがよいでしょう。