Dynabookが、今回の新モデルで最も「シャープとの連携」を強調したのが、液晶ディスプレイです。dynabook Gではシャープの省電力液晶パネル「IGZO」を採用していますが、このパネルと従来モデルで採用してきた他社製パネルとを比べると、dynabook Gで消費電力がdynabook R63の半分程度、重さは3分の2程度にそれぞれ少なくなっているとしました。

  • 搭載する液晶パネルの消費電力と重さを比較

  • ボディ内部のエアフローをシミュレーションで解析することで効率の高い冷却機構を実現した

また、消費電力に影響するクーラーユニットについても、ボディ内部を流れる外気の流線軌跡と温度分布をシミュレーションで検証し、排気が再び吸気側に回らないようなレイアウトとすることで、効率的なエアフローを可能にしたとも訴求しました。

なお、dynabook Gでは急速充電もサポートしており、30分間の充電で約40%の充電が可能としています。30分急速充電した場合、解像度1,920×1,080ドットの4セルバッテリ構成では8時間駆動できます(2セルバッテリでも4時間動きます)。

  • 「持ち出そうと思ったらバッテリー切れ」という場面で急速充電に対応したことは強みとなる

シャープとの真の連携はこれから

Dynabookが目指すノートPCのビジョン「コンピューティングとサービス」への道のりはまだ始まったばかりです。

シャープでは従来から掲げている「AIoT」という言葉で、家電をネットワークで接続し人工知能を活用したユーザーに合わせた最適化を進めています。しかし、シャープの石田氏は、dynabook GなどのノートPCラインナップがAIoTに接続するデバイスとなるかについて、現時点では「まだなにもできていない」と話しました。

また、説明会で登壇した日本マイクロソフト代表取締役社長の平野卓也氏は、「デバイスを資産として所有するユーザーとは別に、デバイスをサービスとして利用する、使いたいときだけサービスとしてデバイスを使うという考え方を拡張していきたい。その中で、dynabook Gのようなモダンデバイスと日本マイクロソフトが提供するクラウドソリューションを一括したサービスとして構築していきたい」という構想を語りました。

この「日本マイクロソフトとの協業によるサービスとしてのデバイス」についても、Dynabook国内マーケティング本部副本部長の荻野孝弘氏は「具体的なことはまだ何もない」としながらも「どんな選択肢があり得るのか検討はしている」と答えています。

  • 日本マイクロソフト代表取締役社長の平野卓也氏も登壇。「私が仕事で初めて使ったPCはDynabook」と個人的な思い入れを語り、日本マイクロソフトとしてもMS-DOSの時代から協力関係にあることを紹介した

  • インテル代表取締役社長の鈴木国正氏。働き方改革やプログラミング教育などでPC需要が喚起されており、インテルもDynabookと協力して社会に貢献していきたいとコメントした