平成仮面ライダーシリーズが『仮面ライダージオウ』(2018年)で20作を数えたことを記念して製作された映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』が、2018年12月22日より公開中である。"仮面ライダーを愛してくれたあなたへ"というキャッチコピーがつけられたこの映画は、『仮面ライダークウガ』(2000年)から現在の『仮面ライダージオウ』まで18年間、20作品にわたって続いたすべての「平成仮面ライダー」を愛してくれたファンに感謝をささげるという、「平成」という時代が終わってひとつの区切りを迎える"今"でしか描けない、スペシャルな作品となっている。

ここでは、歴代「平成仮面ライダー」シリーズ各作品に助監督時代から深く関わってきた俊英・山口恭平監督にインタビューを行い、平成仮面ライダーの集大成とも言える本作のメガホンを取ることが決まった際の気持ちや、20人もの平成仮面ライダーが結集するクライマックスシーンの演出意図など、さまざまな興味深いお話をうかがった。

  • 山口恭平(やまぐち・きょうへい)。1981年生まれ。『仮面ライダー龍騎』(2002年)より助監督として仮面ライダーシリーズに携わり、2012年『仮面ライダーフォーゼ』第23、24話で監督デビューを果たす。映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』(2018年)を手がけたほか、2019年リリースのVシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』の監督も務めている。撮影:宮川朋久

――『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』の監督を……というお話が来たとき、率直にどのような思いを抱かれましたか?

いよいよ僕にも劇場版を監督する機会をいただけたんだな、という感慨が、まずありました。テレビシリーズをやりながら、いつかは劇場版も……という思いを持っていましたから。よしやるぞ!と気合いが入ると同時に、平成最後の仮面ライダー映画、しかも20作記念の映画ということで、すごくプレッシャーを感じました。劇場版がやれるぞ、やったー!というのと、ドンとプレッシャーが乗っかってきた。うれしさとプレッシャーの、両方の気持ちを持ちながら現場に臨みました。

――山口監督は『仮面ライダービルド』のテレビシリーズでも、いくつかのポイントとなるエピソードを手がけていますが、『ビルド』のストーリー展開は1話ごとにめまぐるしいまでに進んでいって、少し離れるとキャラクター配置や勢力図などがガラリと変化していたりして、驚かれませんでしたか。

そうなんです。第9、10話をやったあと、第15、16話に入ったのですが、展開がずいぶん変わっていたのでびっくりはしましたね。最初のうちからこんなに飛ばしていて、脚本の武藤(将吾)さんはネタが尽きてしまわないのかなと、勝手な心配をしていました(笑)。武藤さんはずっとそのペースのまま、1年間のストーリーをお一人で書かれたのですけれどね。一応、担当する話の前後の流れを確認しながら、今回はこういう展開でというのを踏まえてやっているんですけれど、やっぱり1話の中でも展開が速かったという印象でした。

――『仮面ライダージオウ』のキャスト陣とは、今回の映画で初めて顔を合わせるかたちになったとうかがっています。ジオウチームのみなさんの印象はいかがでしたか。

常磐ソウゴ役の奥野とは、番組開始前のPR映像撮影のとき、変身ポーズなどの演出をつけたことがありましたが、その他のキャストは初めて会いました。みんな初々しい印象を受けました。『ビルド』チームはみんな役の年齢も実際の年齢も例年より高めだったのですが、『ジオウ』はメインキャストの平均年齢がぐっと下がりました。歴代仮面ライダーの中でも低いほうに入るんじゃないかな。みんなフレッシュでありつつ、やっぱり慣れていないというか、粗削りな部分がどうしても出てきますので、「こういうところはこうやったほうがいいんじゃない」みたいなフォローをいくつかさせていただきました。これから先、どんな風に成長していくのか、が楽しみですね。