――『クローズ』の撮影では、どんなご苦労がありましたか。

『クローズ』の撮影初日のときには、ずっと頭痛を抱えながら芝居をしていて、それが後から暑さのためだったことがわかりました。不安ではありましたが、それでも絶対に良い作品にしたいという思いは誰にも負けずに頑張ったつもりです。どんな苦境に立たされても絶対にくじけない万丈の"熱量"はきっと伝わっていると思います。

――『クローズ』の予告スポットでは、路上販売を行っている万丈が「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」と威勢よく客に呼びかけたり、自分を「プロテインの貴公子!」と称したり、かなりコミカルな場面がある印象を受けました。

「プロテインの貴公子」というセリフを台本で読んだときは、「何書いてるんですか」って思いました(笑)。しかしずっと読んでいたら次第に「なんでこんなに素敵なキャッチフレーズをテレビ本編で使ってくれなかったんだろう」と思うくらい、気に入ってしまいました。

――『ビルド』の最終回でほろ苦さの残るハッピーエンドを迎えた万丈と戦兎を、ふたたび戦いの世界に赴かせるというストーリーは、さすがテレビシリーズと劇場版(2018年夏)のすべてのエピソードを手がけた脚本家・武藤将吾さんならではの"無駄のない"筋運びですね。

武藤さんはもともと、「仮面ライダー」シリーズではない作品のアイデアとして、"脱獄囚"が逃亡しつつ巨大な力を手に入れて、正義を守るためにその力を使う……というものを考えていたそうです。主役キャラクターの名前も「万丈」だったらしいんですよ。でも『ビルド』の主人公が「天才物理学者」に決まり桐生戦兎になってから、当初の構想にあったキャラクターがその相棒である万丈になったと聞いています。武藤さんの頭の中には、ビルドより先にクローズ/万丈のキャラクターがあったと後になってうかがって、すごくうれしかったんです。

――『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』では歴代の平成仮面ライダーがジオウとビルドを助けにやってくるそうですが、赤楚さんのもっとも好きな仮面ライダーはどれですか?

カッコイイな~と子どものころから思っていたのは『仮面ライダーアギト』ですね。最初の『仮面ライダークウガ』がとても洗練されていて、シンプル系のカッコいいヒーローだったじゃないですか。そのクウガの"強化版"というイメージのアギトは、今観直してもほんとうにカッコいいんです。子どものころ、わくわくしながら観ていたから、改めてアギトの姿を見ると興奮してきます。

――最後に、映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』の見どころをお願いします。

平成最後の仮面ライダー映画ということで、平成の時代に活躍した仮面ライダーたちがたくさん出てきて大活躍します。20作の中には、みなさんが子どものころ熱心に観ていたライダーもいますから、ほんとうにどんな世代の人が観ても面白く、ためになる作品なんじゃないかと思います。仮面ライダーがどうして人気テレビ番組として存在しているのか、その意義というのも提示されていますね。仮面ライダーを愛する熱心なファンの方たちはもちろんのこと、子どものころ少しだけ仮面ライダーを観ていたという人にも観てほしい映画です。多くの方々に劇場へ来ていただきたいです。

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』は現在大ヒット公開中。なお、マイナビニュースでは平成仮面ライダー20作を記念した『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』大特集を展開している。

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