『中学聖日記』の熱演でブレイク候補に
7人目は、昨秋の『中学聖日記』(TBS系)で熱演を見せ、一気にブレイク候補に踊り出た小野莉奈(19)。連ドラ初のレギュラー出演となった同作では、主人公・末永聖(有村架純)の恋敵となり、一途に黒岩晶(岡田健史)を思い続ける女子中学生・岩崎るなを熱っぽく演じた。
一方、映画では『テロルンとルンルン』では聴覚障害を持つ女子高生ヒロインを好演したほか、短編『アンナとアンリの影送り』では初主演を経験。主演女優を目指すのもいいが、助演としても存在感を発揮できるタイプだけに、NHKが重用しそうなムードを持っている。
8人目は、昨年連ドラ3作にレギュラー出演する躍進を見せた喜多乃愛(18)。『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)では江戸川音(杉咲花)の友人・服部京子、『僕とシッポと神楽坂』(テレ朝系)では高円寺達也(相葉雅紀)の姪にあたる訳アリ少女・大沢香子、『ハラスメントゲーム』(テレビ東京系)では秋津渉(唐沢寿明)の娘を演じた。
特筆すべきは、3作とも主人公と絡む役柄だったこと。「連ドラとは何か?」「主演や主要キャストはどうあるべきか?」など目の前で学んだことを今年にどうつなげるか。ミニ番組「夢の通り道」(日テレ系)のナビゲーターや、舞台再演も経験するなど、すべてが血肉になったのではないか。
9人目は、美女軍団オスカープロモーションの中でもトップクラスの美ぼうを持つ是永瞳(23)。女優デビューは2017年の『ドクターX~外科医・大門未知子』(テレ朝系)で蛭間院長(西田敏行)の秘書役。いきなりインパクトを残し、昨年は『ハゲタカ』(テレ朝系)で芝野健夫(渡部篤郎)の娘・あずさを演じた。
今年は1月から『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレ朝系)で主人公の垣野内逞(野村周平)らを世話する看護師役に挑戦。演技経験こそ浅いが、身長173㎝のスタイルが醸し出す華は同世代の女優にも負けていない。
芸歴10年超!ブレイクのダークホース
最後の10人目は、すでに芸歴10年を超える石橋菜津美(26)。昨年は『昭和元禄落語心中』(NHK)に出演したが、それより目立っていたのは、資生堂「エリクシール ルフレ」のCM。吉岡里帆に両手でほっぺをムギュっとされるシーンはインパクト十分で「あのショートカット美女は誰?」と注目を集めた。
今年は1月スタートのドラマ『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』(NHK)に主演の大抜てき。さらに『夫のちんぽが入らない』(FOD/Netflix)でも主演として夫と性交渉ができない主婦を演じる。すでに芸歴は10年超だが、もしかしたら最大のブレイク候補なのかもしれない。
「朝ドラ」「若者向け映画」「CM」が若手女優の3大登竜門であることは変わらないが、今年はどんな新星が飛び出し、どこまで人気を集めていくのか。ここで挙げた10人はその可能性を秘めた筆頭株だけに、一年間追いかけてみてはいかがだろうか。
■著者プロフィール
木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月間20本超のコラムを提供するほか、業界通として『週刊フジテレビ批評』などの各メディアに出演。取材歴2000人を超えるタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。