――先輩仮面ライダーの佐野さんからは、どんなアドバイスをもらいましたか?
うちの事務所(エヴァーグリーン)には、佐野さんをはじめ「仮面ライダー」出身の方がたくさんいますが、先輩たちから応援してもらえてありがたいです。先輩たちから言われたのは、(仮面ライダーは)数人の監督さんがローテーションで入られていて、監督によってキャラクターの演出方法が違ってくるということでした。そのため、自分の演じるキャラクターをどのように表現したらいいのか、混乱する場合があると。
それだけに、自分の中でキャラクターの"芯"をひとつ持つようにして、いろいろな監督から指示されたことを取り入れていけば、いいものになるよとアドバイスをいただきました。実際に「前回と今回では、ゲイツのキャラクターが変わってきてませんか?」みたいに思うことがあるんです。でも、監督はそれぞれプロフェッショナルだから、うまく各監督の要求にもこたえられるように、ゲイツという人物を作り上げていくことができればいいなと思っています。
――映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』では、歴代20人もの平成仮面ライダーが集結するのが大きなポイントとなりました。押田さんがもっとも好きだった平成仮面ライダーは誰ですか? 今回登場する主役ライダーだけでなく、サブで登場したライダーでもかまわないので、教えてください。
『仮面ライダー剣(ブレイド)』に出て来た「仮面ライダーカリス」が好きでしたね。小学校低学年のころにテレビで観たので、正直ストーリーはほとんど記憶に残っていないのですが、あのダークな雰囲気がすごく好きだったなあという思い出は、強く残っているんです。いま僕が演じているゲイツもまさにそうなのですが、ど真ん中・王道の「ヒーロー」というポジションではなく、少し斜に構えているキャラクターのほうが、人間臭さが出るような気がするんです。王道の正義ではないけれど、自分なりの正義を持って戦うという……。そんなキャラクターを演じてみたかったんです。
――撮影の中で、押田さんが身につけた"得意技"というものがあったら、ぜひ教えてください。
やはりアクションでしょうね。確か第6話だったと思うのですが、変身前にやっていたゲイツのアクションシーンがすごく好評だったんです。これまではそれほど激しいアクションをしたことがなかったので、これからはもっとうまくできればと思っています。でも、これって2号ライダーの宿命だと思うんですけれど、最近だと敵にやられるシーンが多いんです(笑)。やたらと、やられる芝居が上手くなってきたような気がするんですよね(笑)。
――仮面ライダーゲイツのスーツアクターを務められている縄田雄哉さんとは、変身前と変身後の動きを合わせるための打ち合わせなどをされたりしますか?
撮影の空き時間に、縄田さんからアクションのことをいろいろ教えていただいています。僕がわからないことを尋ねると親切に教えてくださったり、あるいは、僕の動きを観て「ここはこうしたほうがいい」というアドバイスをいただいたりしています。縄田さんの演じる仮面ライダーゲイツの動きを観て、それを僕(ゲイツ)の演技に取り入れることもありますね。2人でひとつのキャラクターを演じるということなので、縄田さんに少しでも近づけるよう、歩み寄っていきたい気持ちを持っているんです。
――今後、ゲイツはどのような仮面ライダーになっていきたいと思いますか?
僕の希望を言いますと、やはり『仮面ライダービルド』を先に観ていることもあって、ビルドとクローズのように、ジオウとゲイツの"バディ"でやっていきたいなという思いが強いです。敵に囲まれると、バッと2人が背中合わせになったりしてね(笑)。ジオウもゲイツもしっかりと正義を持っている人物なので、ちょっとお互いの方向がずれたとしても、2人で息のあった戦いぶりを見せられると思うんです。そういう"熱い"王道のヒーロー像をお見せすることができれば、ゲイツももっとカッコよくなるんじゃないかって、僕は思っています。
――やはり映画でも共演するわけですから『ビルド』のライダーたちは意識してしまいますか?
それはもう意識しますよ。仮面ライダーグリスなんて、最後のほうで「グリスブリザード」に変身するあたりはすごいカッコよさでしたね。クローズも大好きなんですけれど、グリスブリザードのあの「最後の変身」を観てしまうと、こっちもカッコいいなって、やっぱり思ってしまいますよね。
――最後に、押田さんがオススメする映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』の見どころを教えてください。
ゲイツ的な見どころを言いますと、いつもテレビ本編では見せない、珍しいゲイツの姿が見られます。ちょっとコミカルに描かれているシーンで、そこはぜひご覧になっていただきたいところです。また、スーパータイムジャッカーの「ティード」のところにゲイツが単身で乗り込むところがあります。2号ライダーも、やることはやっているんだぞというところを観ていただきたいです(笑)。また、今回の映画は「仮面ライダー」というものが人々にとってどういう存在なのか、について言及されていて、とてもいいメッセージが込められています。そういった、映画の骨子の部分を重点的に観てほしいと思います!
映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FOREVER』は現在大ヒット公開中。なお、マイナビニュースでは平成仮面ライダー20作を記念した『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』大特集を展開している。
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