毎年のように大きな変化の波が訪れるスマホ業界。いよいよ新しい年号を迎える2019年、スマホ業界は一体、どのような変化を迎えることとなるのでしょうか。2018年までの動向と、2019年に予定されている出来事から推測してみたいと思います。
「5Gスマホ」が2019年中頃に登場
実は2019年は、スマホ業界は非常に大きな変化を迎える年でもあります。それは次世代モバイル通信規格「5G」の商用サービスが、いくつかの国で本格的に開始される予定だからです。
5Gは高速大容量通信だけでなく、ネットワーク遅延が少なく、多くの機器を同時に接続できることから、スマートフォン向けとしてだけでなく、IoT(Intenet of Things、モノのインターネット化)向けのネットワークとしても活用されることが期待されており、将来的には自動運転や遠隔医療、スマートシティなど新技術を活用したさまざまな分野を支える社会基盤となることが期待されています。
実は5Gは、2018年から米国で商用サービスがスタートしており、2019年には韓国、そして中国でも商用サービスを開始するとされています。とはいえ現在米国で提供されている5Gのサービスをはじめ、当初はスマートフォン向けではなく、日本でいえば「Softbank Air」に代表される固定ブロードバンド回線の代替サービスとして提供されるものと見られています。
ですが2019年の中頃からは5G対応のスマートフォンが順次登場するようです。実際、既にクアルコムは5Gに対応したチップセット「Snapdragon 855」を発表しており、2019年にはこれを搭載した5G対応スマートフォンがいくつか登場することになるでしょう。
とはいえ日本では、東京五輪を迎える2020年に合わせて5Gの商用サービスを提供することを予定しているため、2019年に5Gが我々の生活に、直接的な影響を与える訳ではありません。ですが5Gの導入を前倒しする国が増えていることから、日本でも9月に実施されるラグビーのW杯に合わせる形で、5Gの試験サービスを提供することが予定されています。5Gで提供されるサービスや未来像などを、何らかの形で見ることができる可能性は高いといえそうです。
「楽天」と「折り畳みスマホ」がやってくる
では、消費者に向けたサービスや端末に関しては、どのような変化があるでしょうか。確実に影響を与えることになるのは、やはり楽天の新規参入ではないでしょうか。
楽天は子会社の楽天モバイルネットワークを通じて、2019年10月にキャリアとして携帯電話のサービスを提供する予定です。楽天の携帯電話事業がどのようなサービスを提供するかはまだ発表されていませんが、現在MVNOとして提供している「楽天モバイル」の料金水準になることが想定されていることから、大手3キャリアと比べると低価格で携帯電話が利用できることが期待されます。
一方で楽天は2018年に電波を取得し、いま携帯電話のネットワーク整備を進めている真っ最中であり、地方などは当面、提携したKDDIのネットワークとローミングして賄う形となります。それゆえ他の大手3社と比べネットワークの充実度が圧倒的に弱いだけに、料金の安さだけでなく、消費者を満足させられる充実したネットワークを構築できるかという点も大いに注目されるところです。
そしてもう1つ、スマートフォンなどの端末に関しても、2019年はいくつかの変化を見ることができそうです。中でも注目されるのが、ディスプレイを折り畳めるスマートフォンが2019年に本格的に登場すると言われていることです。