ベクターレイヤーを活かして描く方法

今回はベーシックな機能を使いながら簡単なイラストを作成します。線画を効率的に描くために「ベクターレイヤー」を活用してみます。

<1>新規作成

  • 新規作成ボタンをタップして「イラスト」を選択。サイズを設定して「OK」をタップ。今回はカスタムで正方形のキャンバスを設定します

<2>ざっくり下絵を描き、新規「ベクターレイヤー」を追加

  • ブラシや鉛筆でざっくり下絵を描いたら、レイヤーパレットで新規レイヤーを追加します。この時「ベクターレイヤー」を選ぶのがポイントです(白い立方体のあるアイコンがベクターレイヤー)

<3>線画を描く

  • ベクターレイヤーに細めのペンで線画を描きます。下絵レイヤーは不透明度を下げておきます

  • ベクターレイヤーは線単位で消したり、描いた後に補正することができるので、線画に適しています

<4>グレーの濃淡で塗る

  • 線画の下にラスターレイヤーを追加してグレーの濃淡で形を描いていきます。塗りつぶしやぼかしを使う際はラスターレイヤーを使用します。ここで塗り残し・はみ出しなく仕上げておくと後の作業が効率的です

<5>色をつける

  • 一番上に新規ラスターレイヤーを追加して「オーバーレイ」モードに変更

  • 太いブラシでざっくりと色を置いていきます。オーバーレイは下地の色が暗い部分は暗く、明るい部分は明るく発色します。グレースケールに重ねると濃淡が反映された仕上がりになります

<6>細部を書き込む

  • 上にレイヤーを追加し、細めのブラシで細部を書き込んでいきます。スポイト(指1本で長押し)を使うと色の選択が効率的です

  • クリスタのブラシはデフォルトでも比較的描き心地が良好。筆圧のみで、ある程度のぼかしや混色を表現できます

<7>背景と色調の調整

  • 一番下にレイヤーを追加し、背景を描く。最後に、一番上にレイヤーを追加してオーバーレイに→背景色を薄く重ねると、全体のトーンが統一されます

<おまけ>オーバーレイのはみ出しを隠す

5でざっくり塗ったはみ出しが気になる場合は、下記の手順で隠すことができます。

  • グレーで塗ったレイヤーを長押し→レイヤーから選択範囲→選択範囲を作成

  • オーバーレイのレイヤーを長押し→レイヤーマスク→選択範囲外をマスク

作品をSNSでシェアする方法

クリスタで描いたものはJPG、PSDなどに書き出すことができますが、クラウドや「写真」に直接保存することができません。一度クリスタ内部に書き出し、そこから保存・投稿します。

<書き出す方法>

  • メニュー→ファイル→画像を統合して書き出し→ファイル形式を選択

  • ファイル名をつけて「保存」→必要に応じて書き出し設定を調整し「OK」

<保存・投稿する方法>

  • メニュー→ファイル→ファイル操作・共有→画像を選択して「共有」

  • 書き出したファイルを選択→共有→保存・投稿先を選択

「CLIP STUDIO PAINT」iPad版おすすめのポイント

クリスタは、使えば使うほどいろいろな機能が詰め込まれていることがわかります。それだけに、人によって個性が異なるマンガ・イラストの描き方に幅広く対応し、自分なりの使いこなし方を見出していくことができます。ただし、その道のりはそれなりに険しいので、初心者の方はその都度調べながら覚えていく必要があります。

逆にパソコン版のクリスタをすでにお使いなら、iPad独自の操作を覚えるだけでスムーズに使いこなすことができるでしょう。作品をクラウドに保存すれば、パソコン作業の続きをiPadで行うことも可能です。ただし、快適に使うにはiPad Pro(初代は除く)のスペックが必要です。

  • iPad版を契約するとクラウドを100GB使用できます

現在のところ最初の6カ月間は無料となっていますので、まずは使って検討してみるのがおすすめです。