正月太りは避けたいが、一年に1度しかない新年を祝うイベントを節制だらけで過ごすのも面白くない。特段厳しい制限を設けずに正月太りを回避するには、普段通りの生活を心がけることがポイントになるという。

「普段の日常とお正月休みで大きく違う点は『生活習慣』にあると思います。休日であるがゆえに一日中家でごろごろして運動不足になったり、食事や酒の量が普段より増えてカロリーオーバーになったりしがちです。一日のうち30分だけでも外に出て、ウォーキングやストレッチなどで少し体を動かすだけでも、体の代謝を上げられます」

普段は朝夜の通勤時に駅まで歩いたり、出先でちょっとした階段を上り下りしたりしてカロリーを消費しているが、お正月中はこういった動きが少なくなる。そのため、意識的に体を動かして普段の生活習慣とあまり差が出ないようにすることが重要だと山本医師は指摘する。

食事面では、ドレッシングやしょうゆなどの料理にかける調味料を少なくするよう心がければ、塩分を控えることが可能。また食事の際はゆっくり咀嚼して満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐようにしよう。

増えてしまった体重をリセットさせるコツ

暴飲暴食をしないようにし、初詣や初売りなどで積極的に外出して体を動かしていたとしても、体重が増えてしまうケースはどうしても出てくる。「そのような際は、一日も早く普段の生活習慣に戻るよう心がけていただくと、体重を落としやすくなります」と山本医師はアドバイスを送る。

「塩分を控えて食事を普段の量に戻し、日ごろの運動習慣があるならば早めに再開するようにしましょう。極端な食事制限や無理な運動はリバウンドの原因になりますので、普段通りの生活を送るようにしてください」

体重はすぐに増やせるが、減らすには時間がかかる。毎日の摂取カロリーを普段より少し減らしたり、いつもより1駅余分に歩いたりすることで、「数週間をかけて以前の体重に戻す」ぐらいの気持ちでダイエットするのがいいだろう。

※写真と本文は関係ありません

取材協力: 山本咲(ヤマモト・サキ)

都内の大学病院で初期臨床研修後、同病院の糖尿病代謝内分泌内科医局に入局。糖尿病専門医、内分泌代謝専門医を取得。現在は神奈川県内の大学病院にて糖尿病代謝内分泌分野を中心とした内科診療に携わっている。En女医会所属。

En女医会とは
En女医会は150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。