Firefox 64の新機能は以下の通りである。

  • より良い推奨:Webの使い方に基づき、新しい、関連するFirefoxの機能、拡張機能、拡張機能について、平時のブラウジングモードにおいて提案として表示される場合がある(現時点で、米国ユーザーのみに提供)

  • タブ管理機能の強化:タブバーから複数のタブを選択し、それらを同時に閉じる、移動する、ブックマークする、素早く簡単にピンすることができるように

  • パフォーマンス管理がより簡単に:about:performanceで表示される新しいタスクマネージャでは、開いている各タブの消費する電力消費量などを表示。タブを閉じることで節電も可能

  • ClangコンパイラのLTO(Link Time Optimization)オプションを有効化することで、MacおよびLinuxユーザーのパフォーマンスが向上(LTOオプションは、Windowsユーザー向けには、Firefox 63で有効化済み)

  • Windows上でのシームレスな共有:Windowsユーザーは、ネイティブの共有体験を使用してWebページを共有可能に。[ページアクション]メニューの[共有]からアクセス可能

  • ツールバーの機能拡張ボタンのコンテキストメニューに、機能拡張を削除するオプションが追加

  • エンタープライズユーザーのための新機能:macOSにおいてポリシーエンジンを更新し、コンフィギュレーションプロファイルを使用してエンタープライズデプロイメント用にFirefoxをカスタマイズ可能に

さて、いくつか画面とともに紹介しよう。まず、タブ管理機能の強化であるが、[Ctrl]キーを押しながらタブをクリックすると、クリックされたタブの上に選択状態を表す青い線が追加される。この状態でコンテキストメニュー表示し、選択されたすべてのタブに対し、同時操作を行うことができる。

  • 図5 タブの複数選択とコンテキストメニュー

複数のタブの操作は、いっせいに閉じるといった場合が考えられる。それ以上に期待したいのが、拡張機能である。これまで、タブに関する拡張機能はWebExtensions以降、従来の機能が得られず不満も少なくなかった。その解消が期待できる。

次いで、about:performanceを入力すると、新しいタスクマネージャが表示され、開いている各タブの電力消費量などを表示する。さらに、ツリー展開し、サブフレームなども表示可能だ。ポップアップでディスパッチの数も確認できる。電力消費の多いタブを閉じると節電(省電力化)にもなる。

  • 図6 新しいタスクマネージャ

Windows版ではOSネイティブの[共有]機能がサポートされた。UWPアプリへURLをコピーしたり、近距離共有では、BluetoothやWi-Fi経由でほかのデバイスへURLを送信できる。

  • 図7 [共有]メニューが追加

また、アドレスバーの右にある[…]をクリックすると、[共有]メニューが選択可能になった。選択すると、Windows標準の共有機能が利用可能になる。

  • 図8 共有機能が起動

ツールバーの拡張機能ボタンのコンテキストメニューに機能拡張に関するメニューも追加された。

  • 図9 [拡張機能を管理]と[拡張機能を削除]が追加

[拡張機能を削除]では、手早く拡張機能を削除できる。[拡張機能を管理]では、アドオンマネージャからと同じ操作ができる。

  • 図10 [拡張機能を管理]を選択

拡張機能の管理画面のデザインも少し変更された。

  • 図11 拡張機能の管理画面

変更点は、以下の通り。

  • RSSフィードプレビューとライブブックマークは拡張機能を介してのみ利用可能に

  • シマンテックTLS証明書が、無効化。Webサイトのオペレータは、残っているシマンテックTLS証明書を速やかに置き換えることを強く推奨

  • about:crashesが再設計され、クラッシュレポートがMozillaに送信されたことが明確にわかるように。クラッシュレポートをローカルで削除してもcrash-stats.mozilla.comからクラッシュレポートが削除されない

  • 「www」と「.com」をURLに追加するmacOSでのキーボードショートカットは、[Command]+[Enter]から[Ctrl]+[Enter]に変更

やはり注意が必要なのは、シマンテックTLS証明書の無効化だろう。これまで延期されてきたが、今回のバージョンで変更となった。また、RSSフィードプレビューとライブブックマークの2つが、ネィティブの機能として廃止になった。拡張機能や外部サービスを使えば、利用可能であるが、こちらも大きな変更となるので、注意されたい。

開発者向けは、以下の通り。

  • CSSグリッドインスペクタで複数のCSSグリッドを同時に(最大3つまで)オーバーレイ可能に

  • WebコンソールのコマンドラインでJavaScriptの構文が強調表示されるように

  • [アクセシビリティ]パネルの要素にカーソルオーバーすると、背景とテキストのコントラスト比が表示

  • 新しいCSSスクロールバー仕様のサポートが追加

  • 現在、macOSでWebVRが利用可能

セキュリティアップデートは、全部で12個である。[最高]が3個、[高]が5個、[中]が3個、[低]が1個である。機能更新も重要であるが、こちらも少なくない。速やかに、アップデートすべきであろう。