録画も試してみました。手順は従来の地デジやBS/CSと変わらず、EPG画面から目的の番組を選択するだけ。録画モードの選択肢には「4KDR/DR」とハイビジョン画質(3/5/15倍録)の4つが表示されますが、通常は「4KDR/DR」を選択します。
前述したとおり、現在の4K/8K録画は必ずDRモードでの録画となるため、3~15倍録は録画完了後に自動変換処理されるに過ぎないからです。DRモードで録画しておけば、あとから手動で変換することもできますから、そのほうがいいでしょう。
新4K放送の録画番組は、スマートフォンアプリ「どこでもDIGA」でも再生できますが、DRモードのままではリストに現れません。「ハイビジョン画質/○倍」で録画、あるいは録画完了後に手動変換した番組はリストに現れるものの、変換処理が完了されるまで表示されない点には注意が必要です。
スマートフォンへの“持ち出し”も、ハイビジョン画質/○倍に変換してしまえば、地デジやBS/CS番組と同じ扱いです。ダビング10を許可するか、コピーワンス/録画禁止にするかの選択は放送事業者に委ねられますが、新4K放送の番組は大半はダビング10が適用されているようです。
なお、「どこでも DIGA」の新4K放送対応はごく初期の段階です。前述の方法で録画した新4K放送の番組をワイヤレス再生、持ち出し再生することは可能ですが、EPGを表示したり録画予約したりはできません。パナソニックに確認したところ、新4K放送対応は「検討中」とのことで、当面は自宅で録画予約を行い、「ハイビジョン画質/○倍録変換」でやり繰りするしかなさそうです。
4K DIGA DMR-SUZ2060、高い完成度
このように、自宅のテレビで新4K放送を楽しむためのビデオレコーダーとして、DMR-SUZ2060はすでに高い完成度に到達しています。その理由のひとつが「ダイナミック変換出力」で、HLGに対応しない4KテレビでもHDRを楽しめるほか、HDR→SDR変換機能としても動作するため、そもそもHDR非対応の4Kテレビにも有効です。テレビが「4K」から「4K HDR/HLG」への過渡期にある現在、テレビのよき相棒となるビデオレコーダーに求められる機能ではないでしょうか。
気になるとすれば、スマートフォン対応でしょうか。ハイビジョン画質/○倍に変換すれば再生できるとはいえ、アプリでの録画予約やEPGの表示に対応していない状況は、スマートフォンによるビデオレコーダーの活用に慣れた我々エンドユーザーにとって厳しいものといえます。
とはいえ、ソフトウェアの更新で多くは解決できそうですから、新4K放送を楽しみながらアプリのアップデートを待つという手もアリでしょう。新4K放送だけでなく、地上・BS・110度CS対応の2Kチューナーを2基搭載し、同時録画可能など従来の機能も用意されていますから、安心して新4K放送デビューできること請け合いです。