▼夢を叶えたアニサマ

――そもそもおふたりの最初の出会いは?

羽多野 「You Only Live Once」のレコーディングスタジオが初対面だったかな。才能あふれる若い方だなって印象でした。8歳も差があるんですよ。

彦田 ありがとうございます。羽多野さんについては声優をやったり歌ったり、格好いいなとずっと思っていました。なので最初は、まさかアニメで観ていた声優さんと一緒に仕事をするなんて思ってもいなかったのでうれしかったですね。

羽多野 こういう風に謙虚でピュアな方なんですよ。印象深いエピソードがあって、2017年の「アニサマ」(Animelo Summer Live)に初出演して、そこで「You Only Live Once」を歌ったんです。彦田さんはプロの作曲家になる前から「アニサマ」を観に行っていたんですよね。

彦田 そうなんです。

羽多野 そこで「いつか『アニサマ』で自分の作った曲を歌ってもらうのを目標にしていました。ありがとうございます」と言われたんです。こちらこそありがとうございます、ですよね。

――羽多野さんが彦田さんの夢を叶えた。

羽多野 そういうやり取りができたのは、お互いにとってもよかったですね。僕にとってもはじめての「アニサマ」でしたし、27,000人という大勢の前で歌わせてもらったのは、自分の中の自信にもなりましたね。

彦田 いまでも思い出すとウルッときます。感動で泣きそうになりながらステージを観させてもらっていたんですよ。

羽多野 まさに人間ってひとつの縁でつながっていくんだなと実感しましたね。僕は2001年から声優の仕事をはじめているんですけど、いまの自分があるのは、一つひとつの現場で出会った方々とのご縁のおかげなんだな、と。「You Only Live Once」がなかったら、今回のアルバムの「CAPSULE HEART」もなかったわけですからね。