池に向けて車を走らせ、ギリギリのタイミングでストップする位置を何度も確認する今田。この練習を重ねていくうちにアドレナリンが出てきたのか、当初は万が一の転落を防ぐため、プロのドライバーが助手席でブレーキを踏むサポートをする予定だったが、急きょ今田が最後まで自分の責任でブレーキを踏むと言い出したのだ。プロデューサーも「完全なドキュメントです」と緊張を隠せない。
一方の東野も、自身がまとう羽根の量をスタッフへ的確に指示するなど、最後まで微妙な調整を怠らない。その間、取材陣が待機するロケバスが、最初の駐車場所では爆破の影響で窓ガラスが割れる恐れがあるということで何度も移動するなど、こちらも緊張感が増してくる。
こうして時間が流れて太陽が完全に落ちた夜、暗闇の池を何台ものライトに照らす中、いよいよ本番の時間を迎えた。これまで何度も練習を重ねてきた2人だが、実際に火をつけるのは本番だけの一発勝負だ。
生死の分け目から2人を待っていたのは…
今田・東野がスタート位置につくと、静寂に包まれる中、山の方から謎の鳥の雄叫びが聞こえる。そんな不気味さすら漂う空気で、東野が「着火!」と宣言すると、車もろとも炎上。そこからはあっという間に発進、ストップ、そして燃え上がった東野が池に向かって飛び立ち、見事“火の鳥”を表現してみせた。この伝説を達成した姿は、ぜひ躍動感ある映像で確認してほしい。
直後に、特効スタッフが腕によりをかけて仕込んだ周囲の火薬が大爆発。炎上する車から飛び出した今田は、すぐさま落下した池から救出された東野の元へ向かい、生死の分け目から再会した2人に、スタッフから花火のサプライズが用意されていた。その美しさに、同じ火薬を使った爆発でも、ここまで違う顔を見せるものかと感心すら覚える。
この後、エンディングの撮影を終え、そのまま現場で『カリギュラ』シーズン2の打ち上げに突入。今田は「最終的に非常に楽しいゴールで花火まで上げてもらって、本当に大満足の最終回でございました。皆さんのご協力のおかげで前のシーズンを超えていったと思うので、楽しい番組になったと思います」、東野は「スタッフの皆さんのおかげで、僕のわがままだった“火の鳥人間”になることができました。本当に感謝でございます」とあいさつし、充実の表情で美酒に酔いしれていた。