10月31日、渋谷ではハロウィンで若者が大騒ぎする中、携帯電話の電波も圏外になる千葉県の山奥にひっそりと存在する池で、50歳を超えたベテラン大物芸人が、火だるまになった車から“火の鳥”のように飛びたつという壮大なチャレンジに臨もうとしていた。Amazonプライム・ビデオのバラエティ番組『今田×東野のカリギュラ』シーズン2パート2(23日配信開始)の企画「今田・東野 世界へ飛ぶ ~The phoenix to the world~」で、番組MCである今田耕司&東野幸治が挑むというのだ。
若手時代に出演していた伝説のバラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)でも、ここまで体を張ることはなかったはずの2人が、ゴールデンで何本もMCを務めるようになった今、なぜこんな無謀な挑戦に…。そんな疑問を抱えながら、マイナビニュースでは、練習、リハーサルから本番までの一部始終を現地で目撃。この模様をレポートする。
(※この後、本文中にネタバレあり)
“Mr.カリギュラ”が奪われる危機
パート1第2話(配信中)の「人間火の鳥コンテスト2018」では、炎上した機体に乗り込み、池に向かって飛び込むことで、“あの過去を燃やしたい!”、“もう一度あの頃のように熱くなりたい!”という芸能人たちの熱き思いをかなえる夢の大会と銘打たれた企画を配信。地上波テレビのNGを実現する『カリギュラ』ならではの命懸けのチャレンジだ。
このコンテストでは、炎上経験を持つ須藤凜々花・加藤紗里・矢口真里のチーム、本家“鳥人間コンテスト”のリベンジを果たしたいというドランクドラゴン・鈴木拓、そして、熱かった往年のバラエティを取り戻したいという平成ノブシコブシ・吉村崇が挑戦。特に吉村は、自動車のボンネットに立ち、羽をまとった自らの体に着火するという、これ以上ない“火の鳥感”で圧巻のジャンプを見せ、「このままじゃ、“Mr.カリギュラ”は吉村のものになってしまう」と、スタジオでVTRを見ていた東野の闘志に、まさに“火をつけた”。
そこで今回は、「今田・東野 世界へ飛ぶ ~The phoenix to the world~」と題し、今田が火だるまカーを運転し、吉村同様に自らに点火した東野がそのボンネットから飛び立つ。2人の安全を守るため、大勢のスタッフが今回の撮影に参加し、駐車された関係車両の数は、映画の大規模ロケ並みだ。
火薬の量は30倍に
オープニングの収録を終え、取材に応じた東野は「しゃべったら、口元のヘルペスが切れるっていう幸先の悪いスタートから始まりました」と、自らの志願ながら心の奥でストレスを抱えていたことを明かしながらも、「吉村のジャンプは、(漫画『火の鳥』原作の)手塚(治虫)先生がもしも生きてらっしゃったら何かコメントいただけるくらいの火の鳥でしたから、こっちも負けてられません!」と気合十分。
今田は「生命保険にもサインしましたし、火薬の量は前回(「人間火の鳥コンテスト2018」)の30倍ですから。車にも火をつけるんで、(東野は)池に入ると消えるんですけど、僕は消えない。車から自力で飛び出すので、今ずっとSonny Chiba(千葉真一)さんのことを考えてます。初めてのアクション映画みたいな気持ちです」と心境を打ち明け、「爆破する特効さんも気合入ってますから、すごいことになると思います!」と期待を示した。
決行日がハロウィンというめぐり合わせについて聞くと、今田は「これが俺たちのハロウィンです! 渋谷の街なかで誰が火の鳥やってます!?」とアピール。東野が「こっから火の鳥でスクランブル交差点まで飛んでいって、『軽トラ倒すな!』って言ってやりますよ!」と意気込むと、今田は「過激なことしたかったら、ちゃんと場所を選べっていうことです。これを僕はメッセージとして言いたい!」と、『カリギュラ』が“社会派番組”であることを強調した。
こうして爆笑に包まれた取材を終えると空気は一変。真剣な表情で入念なリハーサルが始まった――。