パナソニック創業100周年を記念したイベント、「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」が東京国際フォーラムにて開催された。11月1日には、パナソニックのデジタルカメラ「LUMIX」シリーズの成長戦略に関するセミナーがあった。
また、フォトキナ2018で、パナソニックとともにLマウントアライアンスの結成を発表したライカおよびシグマの代表者が集合。パネルディスカッション形式で、3社協業体制の誕生秘話などが語られた。さらに会場には、すでに開発を発表しているLUMIXのフルサイズセンサー搭載機「S1」と、3本の新レンズが参考出品として展示されていた。
まず、パナソニック アプライアンス社 副社長の渕上秀巳氏が登壇。「イメージング事業の成長戦略とLUMIXフルサイズミラーレス一眼カメラ開発について」と題して講演を行った。
すでに報道されている通り、パナソニックは、LUMIX初のフルサイズセンサー搭載ミラーレス一眼LUMIX「S1」および「S1R」の2機種を2019年春に投入する予定だ。詳しくは別記事を参照していただきたいが、簡単に説明すると、概要は以下の通り。
「S1」と「S1R」では、新開発フルサイズセンサーと新画像処理エンジンを搭載。4K/60P動画をはじめ、業界最高性能で高い表現力を実現。コントラストAFに空間認識技術DFD、AIディープラーニングを応用し、狙った被写体に素早く確実にフォーカスする高速高精度AFや、レンズとボディを連動して手ブレを補正するデュアルイメージングスタビライザーもフルサイズ化に向けてさらに進化している。
また、業界最速の高精度高耐久シャッター、人間の視覚に迫る業界最高性能のEVF、XQD/SDダブルカードスロット、3軸チルトLCDなどの装備も充実。ボディは100%シーリング防塵防滴で、-40℃の耐寒性能を持つプロフェッショナル仕様だ。レンズマウントはLUMIXでは初採用となるライカLマウント。
なお、S1とS1Rの違いは画素数。S1は、24メガピクセルのセンサーを搭載した高感度モデル。一方、S1Rは業界最高レベルの47メガピクセルのセンサーを搭載する。
3本のLマウント対応レンズも開発中だ。そのコンセプトは、究極の高解像度画質、印象的な立体感と美しいボケ味、高速AFとデュアルスタビライザーへの対応だという。
ラインナップは、単焦点50mmプレミアムレンズ「50mm/F1.4」、広角~中望遠のスタンダードズーム「24-105」、望遠テレフォトズーム「70-200」。レンズはライカ、シグマとのアライアンスにより、短期間で充実したラインナップをそろえる。
渕上氏「フォトキナでは、当社は2020年までに10本以上のレンズの開発をコミットしました。加えてライカさんから11本、シグマさんから11本以上のレンズが2020年までに開発される。合計32本以上のレンズがそろう予定です。強固な協業関係を維持してまいります」
渕上氏によれば、LUMIXは今後「フルサイズとマイクロフォーサーズ、それぞれの特長と用途によって共存、成長していく」という。「マイクロフォーサーズ機は、機動力と最速レスポンスのアドバンテージをフルに生かし、さらに展開してまいります。一方、フルサイズ機ではプロのニーズに応える高画質と表現力を追求します」(渕上氏)。
サポート体制にも言及。「昨年(2017年)開設した秋葉原のプロサポート拠点に続き、このサービスを欧米に広げ、グローバルにプロの活躍をサポートしていく」(渕上氏)とした。
また、「LUMIXは4Kトレンドをリードしてきましたが、来たるべき8K時代もリードすべく、新センサー、新エンジン、新レンズの開発もすでに着手しています。今後も常に新しいトレンドを作るべく挑戦を続け、強い決意を持って写真文化への貢献と人々をあっと言わせるイノベーションで、プロ写真家と写真愛好家の方々をサポートし続けていきます」(渕上氏)と締めくくった。