• 004のalt要素

    台湾のファンから日本語で「(会えたことが)奇跡です!」と歓迎される高橋

  • 005のalt要素

    熱烈な台湾のファンに囲まれる高橋

そんな中、台湾メディア向けの記者会見がスタートし、登壇した高橋は「ダージャーハオ、ウオースー高橋一生(みなさん、こんにちは、高橋一生です)」と現地の言葉であいさつ。集まった地元メディア31社の記者陣に、ドラマの魅力や一輝のキャラクターから、自身のプライベートにまつわる話題まで、丁寧に答えていった。

また会見中、台湾グルメを代表する小籠包、ルーロー飯、台湾唐揚げを試食する場面も作られ、「念願だったので、うれしいです。山田さん(劇中で戸田恵子演じる家政婦・山田妙子)に作っていただけるよう、頼んでみたいです」と、ドラマの一場面を思わせるような高橋の発言に、会場が沸いた。

006のalt要素

この日のために2時間かけて手作りしたというファンのうちわ

続いて行われたスペシャルイベントでは、この日を待ち焦がれていた約100人の台湾ファンが声をそろえて「高橋さん、愛している」と伝えると、高橋は「ありがとう、照れますね」と返した。高橋がドラマについて自身の思いを発するたびに、ファンから歓声があがり、日本語を理解する一部のファンの反応にも、高橋はうれしそうに受け答えした。

そんなファンの熱烈な歓迎に打ち解けていく高橋は、台湾で人気の動物心理テストにも挑戦。それは10種類の動物(ネコ、サル、イヌ、ウサギ、シマウマ、パンダ、ペンギン、キリン、カメ、鳥)の順位付けから心理を探るというもので、高橋が2つ目に選んだカメが「周りから見られる印象」であることを知らされると、納得しながら「ドラマに出てくるカメのジョージのように生きてみたいと思うこともあります」と茶目っ気たっぷりに答えた。

高橋は、このカメのジョージがお気に入りで、「撮影後に飼いたい」という発言も伝えられていた。その真相を直撃すると、「ジョージは、あと30~40年は生きてくれそうなので、僕よりも長生きするかもしれません。そうなると、最後まで面倒を見られないのではないかと思い、飼うことを迷っています」と、これまた一輝のキャラクターと重なるようなコメントが返ってきた。

  • 007のalt要素

    台湾グルメを堪能

  • 008のalt要素

    ファンの手製うちわに、高橋は照れながらうれしそうに「ありがとう」と答えていた

距離感の取り方を試行錯誤していた

生き物のフシギに目がない変わり者の大学講師・相河一輝(高橋)の日常を描く同ドラマ。第5話は、失恋した育実(榮倉奈々)の心のゆくえが描かれるが、果たして一輝との距離は縮まっていくのだろうか。

高橋に尋ねると、「縮まらないかもしれません」と返すも、「一輝は“我を通している”と、周りから思われがちですが、第5話と第6話ではこれまで彼なりに人との距離感の取り方を試行錯誤していたんだということが、少しずつ分かってくるのではないでしょうか。彼なりに悩みもあり、苦しいこともあったと感じてもらえると思います」と説明した。

  • 009のalt要素

    11月6日放送の第5話は、恋人と別れた育実の心理描写が見どころ。育実は仕事をはりきろうと、歯みがきイベントを計画するものの、子どもたち相手に大ピンチに…。

さらに続けて、「このドラマの特異さは、気づかない人は気づかない。それが悪いというわけではありません。(育実に対して)『ウサギですね』と言ったことに対しても、決して否定しているわけではないのですが、それを否定していると捉える人もきっといるでしょう。でも、ウサギはウサギで素晴らしく、カメはカメで素晴らしいという考え方を持っているのが一輝です。だからこそ、このドラマは特異で難しい。答えがひとつに限らないからです。観た人によって捉え方が変わります。そういう意味でも、僕にとっても挑戦のしがいのあるドラマなのです。『一輝を演じさせていただいて、ありがとうございます』と、撮影のたびに毎回思っています」と、最後までドラマに対する熱い思いを語ってくれた。

台湾メディアに対しても、終日にわたって個別インタビューをこなしていた高橋。当日のうちに、この会見やイベントの模様を速報する地元メディアもあった。以前と比べると、日本での放送とタイムラグが少ない形で正規で海外にも放送や配信が行われるケースが増えている。こうしたドラマのプロモーションは、国境を越えて価値が高まっていくのではないか。海外でも変わらぬファンや記者の熱に応える高橋の姿を見ながら、そう思った。

  • 010のalt要素
  • 011のalt要素
  • 012のalt要素
  • 013のalt要素
  • 11月6日放送の第5話より

■長谷川朋子(はせがわ・ともこ)
テレビ業界ジャーナリスト。2003年からテレビ、ラジオの放送業界誌記者。仏カンヌのテレビ見本市・MIP現地取材歴約10年。番組コンテンツの海外流通ビジネス事情を得意分野に多数媒体で執筆中。