いざ実食
「ムービージェニック」によって高められたワクワク感をそのままに、最初に実食したのが、「マグ麻辣(マーラー)水餃子鍋」。本格的な麻辣スープを使用しており、撮影中から花椒の香りが食欲をそそり続けていた。一口含むとピリ辛スープの旨味と、後からくる花椒の鼻を抜ける感覚に、思わずビールが欲しくなった。鍋には珍しくサツマイモが入っていたが、辛めのスープとチーズを絡めることにより、クリーミーな味わいを楽しむことができた。さらに、「大阪王将」が満を持して投入した厚い皮が特徴的な水餃子は、たっぷりとスープを吸っても型くずれせず、しっかりと味が染み込んでいて、お酒にもご飯には合う最高のおつまみだった。
高級食材に酔いしれる
見事な存在感を放って登場したのが、越前かに問屋『ますよね』の「元祖カット済 本生ずわい蟹 中盛」(税込5,380円)。びっしりと詰まったかにの身は、エキスがスープに溶け出し香り高く、さっぱりとした味わいは箸が止まらなくなるほどだ。メインのかには、プリッとした肉厚の身が食べごたえ十分で、噛めば噛むほど味が染み出してくる。
肉好きでもなかなか手が出せない高級食材「飛騨牛」を贅沢に使用した昭和31年創業の老舗「飛騨牛 肉のひぐち」の「飛騨牛すき焼き鍋セット」(税込5,940円)は、年末の自分や家族へのご褒美として喜ばれること間違いなしの一品。今回の試食会でも真っ先に鍋が空になるほどの人気だった。やわらかな歯ごたえと濃厚な肉の旨みが、卵の甘さと絡み合い、口いっぱいに広がる瞬間はまさに至福の時間。上質な脂と甘さの余韻もぜひ堪能してほしい。
鍋は料理の中でも手間が少なく「時短料理」としても人気だが、沸騰したお湯と具材を用意すれば、即楽しめる手軽さが魅力なのが「しゃぶしゃぶ」だ。手軽に楽しめる分、メインとなるお肉選びに失敗すると、かなりダメージの大きい食事になってしまう。
そんな心配を牛肉も豚肉もそろって解決してくれるのが、しゃぶしゃぶ専門店「しゃぶまる」の「特選讃岐オリーブ牛&讃岐の豚のしゃぶしゃぶ」(税込4,378円)だ。A5・A4等級の黒毛和牛と、特選豚肩ロースの組み合わせは、鬼に金棒。ほどよく脂を落としたヘルシーな肉は、ポン酢との相性抜群でいくらでも食べられそうだ。会場には女性の関係者が多く見られたが、ペロッと召し上がっている方も少なくなかった。野菜もたっぷりと摂れるため女子会にもオススメだろう。
健康的な汗が出た
寒くなると必然的に汗をかく機会も一気に減るが、体の芯から温まりたいと思う方にオススメなのが、「蟻月 楽天市場店」の「博多もつ鍋【蟻月】炎のもつ鍋 激辛チゲ風味」(税込4,212円)と、「かめあし商店」の「ラム肉しゃぶしゃぶ 薬膳火鍋セット」(税込3,888円)だ。名前からしてすでに汗が出そうだ。
鍋の食材の中でも人気の高いもつ、全国でも「君の内臓をたべたい」と言う某青春映画を彷彿とさせる声が聞こえてきそうだ。ぷりっぷりのもつは、噛みごたえがしっかりとしており、一噛みごとに煮込まれたチゲの旨さと脂が染み出してくる。脂っぽくて苦手という方もいると思うが、たっぷりと野菜を入れると、脂っぽさより野菜の甘味が多く出るため、もつの弾力がクセになるだろう。
唐辛子や山椒を使用した薬膳スープの「火鍋」は、さきほど紹介した「マグ麻辣(マーラー)水餃子鍋」と辛さは近しいものを感じたが、チーズが無かった分、こちらの方が試食をしながら額に汗が滲むのを実感できた。ラム肉がヘルシーなお肉であることが知られているせいが、ピリ辛の薬膳スープも相まって、肉厚でも罪悪感は他の肉より少なめな気がした。
試食を終えて、会場の外で風に当たると、自分が汗をかいていたことをより実感させられた。「やっぱり温かいものを食べるといいな」と心と体が満たされたが、振り返ってみると、木のぬくもりが感じられる対面式キッチンからトントントンと小気味よく響く音と、調理スタッフの和気あいあいとした声のアットホームさが、一人暮らしが長い筆者にとっては、より美味しさを引き出していたように思えた。
年末にむけて忙しさがピークを迎えるビジネスパーソンも多いと思うが、1年の締めくくりにちょっとリッチなお鍋で、労をねぎらってみてはいかがだろうか?