2018年10月は、Googleがスマートディスプレイと呼ぶ、画面付きのスマートスピーカーで2つの大きな動きがありました。ひとつは、Googleが純正のスマートディスプレイ「Google Home Hub」を発表したことです。画面サイズは7インチで、149ドルという低価格が特徴です。
機能としては、通常の音声アシスタントが行える操作はもちろん、タッチスクリーンを活かし、照明のオン・オフを始めとしたスマート家電のコントロールを画面のタップで行えるほか、防犯カメラの映像等との連携にも対応するとされています。
ユニークなのは、この手の製品としては珍しく、カメラを搭載していないことです。昨今のセキュリティをめぐるさまざまな問題から、同社が非常に神経質になっていることが伺えます。その一方で、同社の強みであるYouTubeへの対応を前面に打ち出しており、かつてAmazonの「Echo Show」で遮断されたYouTube再生機能に魅力を感じるユーザが、どの程度本製品に流れるかは見どころです。
なお発売は10月22日ですが、日本は販売対象国に含まれておらず、発売は今のところ未定となっています。過去のGoogle Homeでも日本は当初販売対象国ではなかったことから、これは予想された展開と言えます。
もうひとつ、かねてから噂になっていた、Facebook製のスマートディスプレイもついに発表になりました。ラインナップは、10.1インチの「Portal」と、15.6インチの「Portal+」の2種類で、前者はAmazonの「Echo Show」に似たフォトスタンド型、後者は横向きではなく縦向きにしたディスプレイの上にカメラが乗った、他にないデザインを採用しています。
面白いのは、音声アシスタントに、AmazonのAlexaを採用していることです。事前の予想では「Aloha」というコードネームと呼ばれるFacebook独自の音声アシスタントを採用するとみられていただけに、海外ニュースサイトでは驚きの声も多数上がっていました。自社の音声アシスタントを採用しなかった理由は公表されていませんが、すでに実績があるAlexaの採用により、既存ユーザの移行を促したい意図があるのは間違いないでしょう。
ちなみに、こちらはGoogleのスマートディスプレイと違ってカメラを搭載しており、Facebook Messengerでつながっている相手とのビデオ通話にも対応しますが、やはりこちらもプライバシーへの配慮か、カメラを映らなくするための物理的なカバーを内蔵しているのが興味深いところです。発売は11月12日で、こちらも販売対象国に日本は含まれていません。