打ち手の性格が表れるという麻雀。10月27日公開の映画『ノーマーク爆牌党』では、お笑いコンビ・NON STYLEの石田明が主演を務め、すべての牌を読み切って相手からロン牌を引き出す天才雀士・爆岡弾十郎を演じる。そんな爆岡と対峙する鉄壁保(矢本悠馬)は、徹底した守備力「爆守備」を武器としていたが、爆岡との出会いによって人生が変わりはじめる。
芸能界デビュー後に人生の転機を迎え、新たな道を歩み始めた人物が、本作の九蓮宝燈美として異彩を放っている。10月8日で23歳を迎えた長澤茉里奈は“まりちゅう”の愛称で親しまれ、グラビアアイドルとして活躍。女子高生たちが麻雀で激戦を繰り広げる『咲-Saki-』に抜てきされるなど、近年は女優としても活動の場を広げている。
高い符を目指す「爆テンパネ」で、麻雀界をのし上がってきた九蓮宝燈美。2016年12月にアイドルグループ・放課後プリンセスを離れ、約半年間の休業を経た長澤には、果たしてこの役柄と重なる部分があったのか。「何事も爆守備」と語る長澤の“人生の闘牌”をさかのぼった。
ノンスタ井上からDM「いつ空いてる?」
――最近麻雀の仕事が増えていますね。
そうなんです! 今回はオーディションに備えてマンガを読んでなんとか受かったので、改めて読み直して役作りをしました。オーディションではお芝居のテストと、卓を囲んで雑談をしながら打ちました。お芝居よりも、麻雀が評価されて受かったんじゃないかなと思います(笑)。2週間ぐらいの撮影だったんですけど、深夜になることもあって。私が参加していない闘牌シーンも大変だったみたいです。それから、撮影した雀荘のエアコンが壊れてて、汗を抑えるのに必死でした(笑)。
――主人公・爆岡弾十郎役のノンスタイル・石田明さんはまるで別人でしたね。
本当にビックリでした。原作を読んだ時、石田さんのイメージとは違っていたんですが、映画ではしっかり爆岡になるんですね。すごいです。バラエティの石田さんしか知らなかったので。爆岡になりきっている石田さんはめっちゃカッコ良くて、「私だったら好きになっちゃう」と思うくらい、本当にかっこよかったです。
――ちょっと弱い部分を見せるところなんか、ズルいですよね。
そうですね。あんなところを見せられたら、好きになっちゃいます(笑)。きちんと距離を保つ九蓮宝燈美はエライですね。撮影の合間の時間にはお話しする機会も多かったんですが、石田さんとロケバスで待機している時に、(相方の)井上(裕介)さんから「今度いつ空いてるの?」というDMが届いたことがありました。すぐにその場で石田さんに報告しました(笑)。
――さすが井上さん(笑)。原作から取り入れたことはありましたか?
九蓮宝燈美は頭の回転がはやくて、一途でしっかり者。私は頭が良くないから、見た目から入るしかないなと思って、それまでは髪が腰ぐらいまであったんですけどイメージに少しでも近づけるように切りました。
雀荘経営の夢と狙い
――ドラマから映画化された『咲-Saki-』に出演したことがきっかけで麻雀をはじめたそうですね。
それまでは全く触ったこともなくて。私の周りでやっている人もいなくてなかなか機会がなかったんですけど、今は本当に麻雀が好きになりました。だからこそ、この映画に出ることができてうれしいです。
――麻雀の腕はどうやって磨いているんですか?
『咲-Saki-』のときは、初心者役だったのでそこまでやりこまなくてよかったんですが、テレビ対局に呼ばれるようになって「やばい!」と焦りはじめて、麻雀の解説サイトを見て独学で無理やり覚えました。あと、「MJモバイル」のフリー対戦も結構やっています。
――飯田橋の雀荘に通っているというのは本当ですか?
本当です! 映画のロケ地にもなっています。さっき、エアコンが壊れていたと話したお店は私の行きつけの雀荘なんです(笑)。
――そうだったんですね(笑)。雀荘に行くのって、ハードル高くないですか?
最初は一人じゃ行けなかったので事務所の大人たちを集めて、仕事終わりでみなさん疲れている時に頼み込んで、練習に付き合ってもらっていました。それから、グラビアの天木じゅんちゃんとか鈴木ふみ奈さんとか、麻雀を真面目に取り組んでいる方々と集まって練習したりしています。